【吃音で第一声が出ない】仕事で私が実際に試した7つの対処法

「吃音で仕事中に最初の言葉が出ない悩みと、実体験から紹介する7つの対処法」

「おはようございます」が言えない。

「お先に失礼します」が言えない。

「ありがとうございました」の最初の「あ」が出てこない。

言いたいことは頭の中にあるのに、最初の一言がどうしても出てこない――。

吃音に悩んでいる方の中には、仕事中のこんな場面がつらいという方もいるのではないでしょうか。

私自身、中学生の頃から吃音に悩み、社会人になってからも長い間、第一声が出ないことに苦しんできました。

特に私が苦手だったのが「ア行」と「タ行」です。

新卒で金融機関に就職した頃は、

「おはようございます」

「ありがとうございました」

といった毎日の挨拶だけでなく、電話で会社名や人の名前を言うときにも言葉が出ず、何度も困った経験があります。

「また言葉が出なかったらどうしよう」

そう考えれば考えるほど、第一声を発することが怖くなっていました。

それでも仕事では、挨拶や電話対応を避け続けることはできません。

そこで私は、自分なりに話し始めの言葉を変えたり、視線をずらしたり、呼吸を意識したりしながら、第一声を出しやすくする方法をいろいろ試してきました。

たとえば、

「お先に失礼します」が出にくければ、

「それでは、お先に失礼します」

と、自分が言いやすい「それでは」を前につける。

「ありがとうございました」が出にくければ、

「はい、ありがとうございました」

と、言いやすい言葉から話し始める。

これは専門的な治療法として紹介するものではありません。

あくまで、吃音に悩んできた私自身が、仕事を続けるために実際に試してきた工夫です。

私に合った方法が、すべての方に同じように合うとは限りません。

それでも、

「仕事で第一声が出なくてつらい」

「電話に出るのが怖い」

「毎日の挨拶さえ緊張してしまう」

という方に、私の経験の中から一つでも参考になるものがあればうれしいです。

この記事では、私が実際に困った仕事上の場面を振り返りながら、第一声が出ないときに試してきた7つの対処法を紹介します。



なお、吃音そのものについて強く悩んでいる場合や、仕事・日常生活への影響が大きい場合には、私の体験談だけで判断せず、専門家へ相談することも選択肢の一つだと思います。

それでは、まず私が社会人になって特につらかった「朝の挨拶」からお話しします。

第1章|吃音で仕事中に最初の言葉が出ないのはどんなとき?

「おはようございます」が言えなかった私

社会人になって、私がまず困ったのが毎朝の挨拶でした。

新卒で就職した金融機関では、出勤すると支店長の席の近くまで行き、

「おはようございます」

と挨拶をしてから出勤簿に印鑑を押す習慣がありました。

普通なら何でもない朝の挨拶です。

ところが、吃音に悩んでいた当時の私にとって、この「おはようございます」が大きな壁でした。

支店長の前まで行く。

目が合う。

「おはようございます」と言わなければ――。

そう意識した瞬間、最初の「お」が出てこないのです。

言葉は頭の中にあります。

何を言えばいいのかも当然わかっています。

それなのに第一声だけが出てこない。

言おうとすればするほど焦ってしまい、顔が熱くなることもありました。

私が吃音に悩んでいることを知らない支店長からすれば、

「どうしたんだ?」

という感じだったと思います。

毎朝繰り返される挨拶だからこそ、

「明日の朝も言えなかったらどうしよう」

と、挨拶をする前から気にするようになっていました。

私は「ア行」と「タ行」の第一声に苦しみました

私の場合、特に苦手だったのが「ア行」と「タ行」でした。

そのため、仕事ではいろいろな場面で困りました。

「おはようございます」

「お先に失礼します」

「ありがとうございました」

そして電話では、

「田中さんをお願いします」

のような「タ行」から始まる名前です。

たった一言なのですが、その最初の一音が出てこないのです。

逆に私の場合は、「サ行」や「ハ行」など、比較的言いやすい言葉もありました。

そこで私は、

「苦手な言葉が出ないなら、言いやすい言葉を先につけたらどうだろう?」

と考えるようになりました。

たとえば、

「お先に失礼します」

が言いにくければ、

「それでは、お先に失礼します」

と言ってみる。

「ありがとうございました」

が言いにくければ、

「はい、ありがとうございました」

と言ってみる。

私の場合は、このように第一声を別の言葉に変えることで、話し始めやすく感じる場面がありました。

もちろん、これは私自身が長年の経験の中で試してきた方法です。

吃音の症状や言いにくい言葉は人によって違うため、すべての方に同じ方法が合うとは限りません。

それでも当時の私は、

「言えない言葉を何としてでも言わなければ」

と自分を追い込むより、

「自分が言いやすい入り方に変えてみよう」

と考えることで、仕事中の会話に少しずつ対応していきました。

次の章では、私が特に苦労した朝の

「おはようございます」

を言うために、実際にどんな工夫をしたのかをお話しします。


第2章|「おはようございます」が出ないとき私が試した方法

相手の目ではなく別の場所に視線を向けてみた

前の章でお話ししたとおり、新卒で金融機関に就職した私は、毎朝の

「おはようございます」

が言えずに悩んでいました。

出勤すると支店長の席の近くまで行き、「おはようございます」と挨拶をして出勤簿に印鑑を押す。

毎日のことなのですが、私にとってはこれが本当につらかったのです。

特に苦手だったのが、支店長と目が合った瞬間でした。

「よし、おはようございますと言おう」

そう思えば思うほど緊張してしまい、最初の「お」が出てこない。

 

そこで私は、あるときから少し違うことを試すようになりました。

それが、

相手の目ではなく、ネクタイや胸元あたりに視線を向ける

という方法です。

支店長の目を見て、

「おはようございますと言わなければ」

と考えるのではなく、ネクタイを見ながら、

「今日はこんな色のネクタイなんだな」

「なかなか素敵なネクタイだな」

などと、頭の中で別のことを考えるようにしました。

すると私の場合は、不思議と

「おはようございます」

という第一声を出しやすく感じることがありました。

「言わなければ」と意識しすぎないようにした

なぜ私の場合、この方法で話しやすく感じたのか。

当時はもちろん専門的なことなど分かりませんでした。

ただ、自分自身の感覚としては、

「絶対に『おはようございます』と言わなければ」

ということだけに意識が集中していた状態から、少し意識をそらすことができたのだと思います。

たとえば私は、頭の中でこんな場面を想像することもありました。

「支店長、そのネクタイ素敵ですね。あっ、おはようございます」

最初から「おはようございます」だけを言おうとするのではなく、その前に別の会話があるような感覚を作ってみるのです。

もちろん、実際に毎朝支店長へネクタイの話をしていたわけではありません(笑)

あくまで私が、第一声への意識を少し変えるためにやっていた工夫です。

吃音に悩んでいた頃の私は、

「また、どもるかもしれない」

「最初の『お』が出なかったらどうしよう」

と考えれば考えるほど、言葉を発すること自体が怖くなっていました。

だからこそ私は、

「うまく言わなければ」と第一声だけに集中しすぎない

ことも意識するようになりました。

私には合った方法でも、誰にでも同じとは限りません

ここは大切なので、もう一度お伝えしておきます。

相手の目から視線をそらしたり、ネクタイを見たりすれば、誰でも第一声が出るようになるということではありません。

これは、私自身が仕事を続ける中で試して、話しやすく感じることがあった方法です。

吃音の症状や困る場面は人それぞれ違います。

それでも、

「おはようございますと言わなければ」

ということばかり考えて苦しくなっている方に、

「こんな工夫をしていた人もいるんだ」

という一つの体験談として参考にしていただけたらと思います。

そして私には、もう一つよく使っていた方法がありました。

それが、

自分の言いやすい言葉を、苦手な言葉の前につける

という方法です。

次の章では、「お先に失礼します」が言えなかった私が、

「それでは、お先に失礼します」

と言うようになった経験をお話しします。

第3章|「お先に失礼します」が言えないときの工夫

私は言いやすい言葉を前につけていました

仕事をしていると、朝の「おはようございます」と同じくらい避けられない挨拶があります。

それが、退社するときの

「お先に失礼します」

です。

私の場合は「ア行」が苦手だったため、この「お先に失礼します」の最初の「お」が出てこないことがありました。

仕事を終えて帰ろうとしているのに、

「お……」

と第一声が出ない。

周りには上司や同僚がいるので、何も言わずに帰るわけにもいきません。

そんなときに私が試していたのが、

自分が比較的言いやすい言葉を前につける

という方法でした。

私の場合、「ア行」や「タ行」は苦手でしたが、「サ行」や「ハ行」は比較的言いやすく感じていました。

そこで、

「お先に失礼します」

だけで言おうとするのではなく、

「それでは、お先に失礼します」

と言うようにしたのです。

私の場合は、「それでは」と話し始めることで、その後の「お先に失礼します」まで続けやすく感じることがありました。

◆どもらない行+お先に失礼します

吃音する人は苦手な「行」があります、逆に得意な「行」もあったりします。私の場合は「あ行」と「た行」が苦手でどもり、「さ行」と「は行」が得意でスラスラ言えました。だから「お先に失礼します」は苦手な「あ行」でどもるので、得意な「さ行」の「それでは、お先に失礼します」のように工夫してました!コレけっこう色々なパターンが使えるのですよ!


「お先に失礼します」➡「あ行」はどもる

「それでは、お先に失礼します」➡「さ行」はどもらない

「支店長、お先に失礼します」➡「さ行」はどもらない


「支店長、お先に失礼します」と相手を先に呼ぶこともありました

もう一つ、私が使っていた言い方があります。

それが、

「支店長、お先に失礼します」

です。

「お先に失礼します」から始めるのではなく、先に相手を呼んでから挨拶につなげる方法です。

私の場合は、

「それでは、お先に失礼します」

「支店長、お先に失礼します」

というように、最初の言葉を変えるだけで話し始めやすくなることがありました。

当時の私は、こんなふうに考えていました。

「苦手な言葉が出ないなら、無理にその言葉から始めなくてもいいんじゃないか」

吃音に悩んでいると、

「この言葉をちゃんと言わなければ」

ということに意識が集中してしまうことがあります。

私自身もそうでした。

でも仕事で大切なのは、決められた一音から必ず話し始めることではなく、相手にきちんと挨拶を伝えることだと考えるようになりました。

「落ち着いて話せばいい」と言われても難しかった

吃音に悩んでいた頃、周囲から、

「落ち着いて話せばいいんだよ」

と言われることもありました。

もちろん、心配して言ってくれていたのだと思います。

でも私の場合は、

「よし、落ち着こう」

と思ったからといって、必ず第一声が出るわけではありませんでした。

むしろ、

「落ち着かなければ」

「今度こそ、どもらないようにしなければ」

と考えるほど、第一声を意識してしまうこともありました。

だから私は、「絶対にどもらないようにする」というよりも、

「自分が話し始めやすい言い方に変えてみよう」

と考えるようになりました。

「お先に失礼します」が言いにくければ、

「それでは、お先に失礼します」

に変えてみる。

これはとても小さな工夫です。

それでも私にとっては、毎日の仕事を続けていくために役立った方法の一つでした。

もちろん、これも私自身の経験であり、同じ方法がすべての方に合うとは限りません。

自分にとって言いやすい言葉や話し方を探す、一つの体験談として読んでいただければと思います。

次の章では、接客の仕事でも特につらかった、

「ありがとうございました」

の第一声が出ないときに、私がどのように話していたのかをご紹介します。

第4章|「ありがとうございました」が出ないときの工夫

私は「はい」を前につけていました

「お先に失礼します」と同じように、私が仕事で苦労した言葉が、

「ありがとうございました」

です。

特に接客の仕事では、お客様への感謝を伝える大切な言葉ですよね。

ところが私の場合、苦手な「ア行」から始まるため、

「ありがとうございました」

と言おうとすると、最初の「あ」が出てこないことがありました。

学生時代なら、言葉が出なくてもその場を何とかやり過ごせることがあります。

しかし仕事となると、お客様がお帰りになるときに何も言わないわけにはいきません。

そこで私が使っていたのが、

「はい、ありがとうございました」

という言い方です。

私の場合は「ハ行」が比較的言いやすかったので、いきなり苦手な「あ」から始めるのではなく、

「はい」→「ありがとうございました」

とつなげるようにしていました。

「ありがとうございました」が言えない。

それなら、自分が言いやすい「はい」から始めてみる。

第3章でご紹介した、

「それでは、お先に失礼します」

と基本的な考え方は同じです。

私にとっては、このように第一声の入り方を変えることが、仕事を続けるための一つの工夫になっていました。

呼吸を意識してから話し始めることもありました

もう一つ、私自身が意識していたのが呼吸です。

当時の私は、

「今度こそ、どもらないように言おう」

と力んでしまうことがありました。

そんなときは、いきなり言葉を出そうとするのではなく、一度呼吸を整えてから、

「はい、ありがとうございました」

と話し始めるようにしていました。

旧記事ではこれを、

「一呼吸+ヨシッという気持ち+発声」

という感覚で表現していました。

今振り返っても、私の場合は「絶対に失敗しないように」と身構えるより、一度呼吸を整えてから話し始めた方が、言葉を出しやすく感じる場面がありました。

ただし、ここも誤解のないようにお伝えしておきます。

呼吸を整えれば吃音が治る、という意味ではありません。

あくまで、吃音に悩んでいた私が仕事の中で実際に試していた方法の一つです。

大切だったのは「言い方を変えてもいい」と考えたこと

若い頃の私は、

「ありがとうございましたと言わなければ」

「最初からきちんと言わなければ」

と思っていました。

でも、仕事を続ける中で少しずつ考え方が変わりました。

「ありがとうございました」が出にくいのであれば、

「はい、ありがとうございました」

でも、感謝の気持ちは相手に伝わります。

私の場合、

「決められた言葉を最初から完璧に言わなければならない」

という考えから少し離れたことも、気持ちの面では大きかったと思います。

吃音の症状や話しやすい言葉は人によって違います。

私のように「はい」が言いやすい人もいれば、別の言葉の方が話しやすい人もいるでしょう。

ですから、

「自分なら、どんな入り方だと話しやすいだろう?」

と考えてみることも、一つの方法だと思います。

次の章では、同じく仕事で何度も使う、

「お疲れ様です」

が出にくいときに、私が試していた話し始め方についてお話しします。

第5章|「お疲れ様です」が言えないとき私が試したこと

言葉の入り方や口の動かし方を自分なりに研究した

「おはようございます」

「お先に失礼します」

「ありがとうございました」

と同じように、仕事をしていると何度も使う言葉があります。

それが、

「お疲れ様です」

です。

吃音に悩んでいた頃の私は、この「お疲れ様です」も第一声が出にくいことがありました。

そこで当時の私は、

「どうすれば最初の『お』を出しやすくなるだろう?」

と、自分なりにいろいろな発音の仕方を試していました。

たとえば鏡を見たり、実際に声を出したりしながら、口の開き方や言葉を発するときの感覚を確かめることもありました。

「あ・か・さ・た……」と発音するときと、

「お・こ・そ・と……」と発音するときでは、口の形や動き方が違います。

そこで私は、いきなり

「お疲れ様です」

と言おうとするのではなく、その直前に少し口を動かしたり、話し始めるタイミングを変えたりしてみました。

行の最初の「あ行」➡口を横に開くように発音する

行の最初の「か行」➡口を横に開くように発音する

行の最初の「さ行」➡口を横に開くように発音する

行の最初の「た行」➡口を横に開くように発音する

行の最初の「な行」➡口を横に開くように発音する

行の最初の「は行」➡口を横に開くように発音する

行の最初の「ま行」➡口を横に開くように発音する

行の最初の「や行」➡口を横に開くように発音する

行の最初の「ら行」➡口を横に開くように発音する

行の最初の「わ行」➡口を横に開くように発音する


行の最後の「お行」➡口を縦に開くように発音する

行の最初の「こ行」➡口を縦に開くように発音する

行の最初の「そ行」➡口を縦に開くように発音する

行の最初の「と行」➡口を縦に開くように発音する

行の最初の「の行」➡口を縦に開くように発音する

行の最初の「ほ行」➡口を縦に開くように発音する

行の最初の「ま行」➡口を縦に開くように発音する

行の最初の「よ行」➡口を縦に開くように発音する

行の最初の「ろ行」➡口を縦に開くように発音する

行の最初の「を行」➡口を縦に開くように発音する


 

私の場合は、「横に開く音」と「縦に開く音」の違いを意識すると、第一声を出しやすく感じることがありました。

「あっ、お疲れ様です」

※実際は「あっ」はよくないので、喉を鳴らすように「あっ」と発音はしない

あっ「お疲れ様です」

これは誰かから教えてもらった専門的な方法ではありません。

吃音に悩んでいた私が、自分の発音を観察しながら試行錯誤していた方法です。

「あっ、お疲れ様です」と言葉の入り方を変えることもあった

当時の私は、

「あっ、お疲れ様です」

というように、いきなり「お疲れ様です」から始めず、話し始め方を変えることもありました。

ここまで読んでくださった方ならお気づきかもしれません。

私が仕事の中で試していた方法には、共通するところがあります。

「お先に失礼します」が出にくければ、

「それでは、お先に失礼します」

「ありがとうございました」が出にくければ、

「はい、ありがとうございました」

そして「お疲れ様です」が出にくければ、

自分が話し始めやすい入り方を探してみる。

つまり私は、

「苦手な第一声を、何が何でもその一音から言おうとしない」

という工夫をしていたのだと思います。

自分に合う言い方を探すことも一つの方法だった

吃音に悩んでいた当時は、

「普通に話さなければ」

「ちゃんと言わなければ」

という気持ちが強くありました。

周りの人が普通に言っている「お疲れ様です」が、自分には言えない。

それだけで落ち込むこともありました。

でも、仕事を続けていくうちに、

「相手にきちんと伝わるなら、自分が話しやすい言い方でもいいのではないか」

と考えるようになりました。

もちろん、今回紹介した口の動かし方や言葉の入り方は、私自身が試していた方法であり、吃音に対する専門的な訓練方法として紹介しているわけではありません。

吃音の症状や話しやすい方法は、人によって違います。

それでも、第一声が出ないことで毎日の仕事が苦しくなっている方に、

「自分に合った話し始め方を探していた人もいる」

という私の経験が、何かの参考になればうれしいです。

そして、ここまでの挨拶以上に私が苦労したのが、

電話対応

でした。

相手の顔が見えない電話なら楽に話せそうな気もしますよね。

ところが私の場合、そうではありませんでした。

特に相手から、

「失礼ですが、どちら様でしょうか?」

と突然聞き返されたとき、会社名や自分の名前が出てこなくなることがありました。

次の章では、私が仕事中の電話で実際に経験した「第一声が出ない怖さ」と、当時どんな方法で切り抜けていたのかをお話しします。

第6章|電話で会社名や自分の名前が出ないときの対処法

私が一番苦しかった電話対応

仕事の中で、私が吃音に特に悩まされた場面の一つが電話対応でした。

新卒で就職した金融機関では、当然ですが電話を取ったり、取引先へ電話をかけたりする機会がたくさんあります。

私の場合、最初から話す内容が決まっていれば、比較的スムーズに言えることもありました。

たとえば、

「はい、○○です」

と、あらかじめ頭の中で準備して電話をかける。

ところが困ったのは、会話の途中で相手から突然、

「失礼ですが、どちら様でしょうか?」

「もう一度、お名前をお願いします」

と聞き返されたときです。

準備していた会話の流れが変わった瞬間、会社名や自分の名前が出てこなくなることがありました。

しかも、当時勤めていた金融機関の名前は、私が苦手だった**「タ行」**から始まる名前でした。

言わなければならない。

でも最初の「タ」が出ない。

電話の向こうでは相手が私の返事を待っている。

沈黙が長くなるほど、

「早く答えなければ」

という焦りが強くなります。

すると、ますます言葉が出てこない。

20代の私は、電話が怖くなるほど悩んでいました。

言葉が出なくて電話を切ってしまったこともあります

ここからは、今だから話せる私の失敗談です。

旧記事にも書いていましたが、若い頃の私は、自分の名前がどうしても出なくなったとき、

電話を切ってしまったことがあります。

相手から、

「失礼ですが、お名前を頂戴してよろしいでしょうか?」

と聞かれて、

「はい、私は……」

そこで言葉が出ない。

焦った私は、

ガチャリ。

電話を切ってしまいました。

そして少し気持ちを整えてから、もう一度こちらから電話をかけ直し、

「突然電話が切れてしまい、申し訳ありませんでした」

と話していました。

今振り返れば、社会人としておすすめできる対処法ではありません。

電話が切れた理由をごまかしてしまったこともあります。

それでも当時の私は、それくらい第一声が出ないことに追い詰められていたのだと思います。

吃音に悩んだ経験がない方からすると、

「そこまでしなくても……」

と思うかもしれません。

でも、電話の向こうで相手が返事を待っているのに、言いたい会社名や自分の名前がどうしても出てこない。

私にとっては、それほど苦しい瞬間でした。

今の私なら電話を切らずにこう対応します

では、現在の私ならどうするか。

若い頃のように、言葉が出ないからと電話を切ることはおすすめしません。

今ならまず、

「少々お待ちください」

「失礼いたしました。もう一度申し上げます」

など、自分が比較的言いやすい言葉を挟んでから、改めて会社名や名前を伝えようとします。

私が「はい」「それでは」といった言葉を前につけていたのと同じ考え方です。

また、自分が電話で言いにくい会社名や名前が分かっているのであれば、電話の前に言い方を確認したり、話す内容を簡単にメモしておくこともできます。

それでも仕事の電話で吃音が強く出て困っているのであれば、一人で何とかしようとするだけでなく、職場へ相談することも選択肢だと思います。

若い頃の私は、

「吃音で困っていることを知られたくない」

という気持ちが強くありました。

だから、何とか自分だけで切り抜けようとしていました。

でも今振り返ると、言葉が出なくなったときの対応について、信頼できる上司や同僚とあらかじめ話しておく方法もあったと思います。

電話が怖い自分を責める必要はないと思います

電話は相手の表情が見えません。

そして、その場ですぐ返事をしなければならないこともあります。

私自身、対面で話すこととは違った怖さを感じていました。

だから、

「電話くらい普通にできなければ」

と、自分を追い込んでいた時期もあります。

でも私の場合、その後、不動産業界へ転職して営業の仕事を続けることになりました。

電話も、お客様との会話も、商談もあります。

若い頃には、

「電話で自分の名前さえ言えない自分が、社会でやっていけるのだろうか」

と思っていた私がです。

だから今、仕事の電話で第一声が出ずに悩んでいる方には、私の若い頃の失敗も含めて、

「こんな人間でも、その後ずっと人と話す仕事を続けてきた」

という一つの実体験として知っていただけたらと思います。

次の章では、吃音で言葉に詰まったときに上司から、

「落ち着いて話しなさい」

と言われた私が、どう感じ、どう対応していたのかをお話しします。


第7章|上司から「落ち着いて話して」と言われたとき

「落ち着いて」と言われても言葉が出るとは限りませんでした

吃音に悩んでいると、言葉に詰まったときに相手から、

「落ち着いて話せば大丈夫だよ」

と言われることがあります。

私も若い頃、上司から何度か言われました。

「まあ、いいから落ち着いて話しなさい」

 

相手としては、私を安心させようとして言ってくれていたのだと思います。

ところが当時の私は、

「落ち着こうと思って落ち着けるなら、こんなに苦労しないよ……」

という気持ちもありました。

頭の中では話す内容が分かっています。

それでも第一声が出ない。

しかも、

「落ち着かなければ」

「今度こそ、どもらないようにしなければ」

と意識すると、私の場合はかえって言葉を出すことに集中してしまうこともありました。

これは、吃音に長く悩んできた私だからこそ感じていた苦しさだったと思います。

私は「尊敬する部長の前だから緊張するんです」と言ったこともあります

そんなとき、若い頃の私は自分なりに場の空気を変えようとすることがありました。

たとえば上司の前で言葉に詰まってしまったとき、

「部長、どうしましょう。尊敬する部長の前だと緊張して、うまく話せなくなってしまいます(笑)」

というように、自分から言ってしまうこともありました。

もちろん、毎回使える方法ではありません(笑)

でも私の場合は、この一言で上司が笑ってくれたり、その場の張り詰めた空気が少し和らいだりすることがありました。

すると、自分自身の緊張も少し軽く感じられました。

当時の私は、

「どもっていることを絶対に気づかれてはいけない」

と隠そうとするだけでなく、ときには自分から言葉にして、その場を切り抜けることも覚えていったのだと思います。

吃音で困っていることを職場に伝える方法もある

旧記事を書いた頃の私は、吃音にイライラする上司への対処法として、

「吃音する私は障害扱いになるのでしょうか?」

と上司に聞いてみる方法も書いていました。

ただ、今振り返ると、相手を牽制するような言い方をするより、

自分がどんな場面で困っているのかを具体的に伝える

方がよいと思っています。

たとえば、

「私は吃音があって、電話や朝の挨拶などで最初の言葉が出にくいことがあります」

「急いで答えようとすると言葉が出にくいことがあるので、少し待っていただけると助かります」

といった伝え方です。

吃音について詳しく知らない上司や同僚であれば、本人が何に困っているのか分からないこともあると思います。

私自身も若い頃は、

「吃音だと知られたくない」

「普通に話せないと思われたくない」

という気持ちがあり、自分から説明することを避けていました。

でも今振り返れば、信頼できる上司や同僚に自分の状況を伝えておくという選択肢もあったと思います。

吃音だけで仕事の能力まで決まるわけではありません

若い頃の私は、言葉に詰まるたびに、

「こんな自分が社会で通用するのだろうか」

と何度も考えました。

電話で自分の名前が言えない。

朝の「おはようございます」が出ない。

お客様への「ありがとうございました」が言えない。

社会人として当たり前だと思っていたことが、自分にはできない。

それが本当につらかったです。

それでも私は、その後金融機関から不動産業界へ転職し、営業の仕事を続けてきました。

人と話すことが仕事ともいえる営業職です。

若い頃の自分には、想像もできなかったと思います。

仕事では、話し方だけではなく、

相手の話を聞くこと。

約束を守ること。

分からないことを調べること。

そして、お客様に誠実に向き合うこと。

そうしたことも、とても大切です。

私自身の経験を振り返ると、吃音があることと、その人の仕事の能力は同じものではないと感じています。

だから、今まさに職場で第一声が出ず、

「自分は仕事に向いていないのではないか」

と悩んでいる方には、吃音だけで自分の可能性まで決めつけないでほしいと思っています。

次の章ではこの記事のまとめとして、私が実際に試してきた方法を振り返りながら、

「仕事で第一声が出ないとき、私が今伝えたいこと」

をお話しします。


第8章|まとめ:仕事で第一声が出ないときに私が伝えたいこと

ここまで、吃音に悩んできた私が、仕事で第一声が出ないときに実際に試してきた方法や考え方をお話ししました。

振り返ってみると、私が困っていたのは特別な場面だけではありません。

「おはようございます」

「お先に失礼します」

「ありがとうございました」

「お疲れ様です」

会社名や自分の名前を伝える電話対応。

どれも仕事をしていれば日常的に使う、ごく普通の言葉です。

でも当時の私にとっては、その最初の一音を出すことが本当につらかったのです。

私が試したのは「無理に同じ言い方をしない」という工夫でした

この記事で紹介した方法を振り返ってみると、私がやっていたことには共通点がありました。

「おはようございます」が出にくいときは、相手の目だけに意識を集中させず、ネクタイや胸元に視線を向けてみる。

「お先に失礼します」が出にくいときは、

「それでは、お先に失礼します」

と言ってみる。

「ありがとうございました」が出にくいときは、

「はい、ありがとうございました」

と言ってみる。

「お疲れ様です」が出にくいときは、話し始め方やタイミングを変えてみる。

電話で言葉が出ないときは、若い頃には焦って電話を切ってしまったことさえありました。

そして上司から「落ち着いて話して」と言われたときには、自分から緊張していることを伝えて場の空気を変えることもありました。

今振り返ると私は、

「言えない言葉を何としてでも同じ言い方で言おうとする」のではなく、自分が話しやすい入り方を探していた

のだと思います。

 

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私の方法がすべての人に合うわけではありません

ここは、この記事で一番大切にしたいところです。

今回紹介した方法は、吃音の専門的な治療法ではありません。

中学生の頃から吃音に悩んできた私が、実際の仕事の中で試してきた個人的な工夫や体験です。

吃音の症状や程度、言いにくい言葉、困っている場面は人によって違います。

そのため、

「この方法を試せば必ず第一声が出る」

「この方法で吃音が治る」

というものではありません。

吃音によって仕事や日常生活に強い支障を感じている場合には、一人だけで抱え込まず、医療機関や言語聴覚士など、吃音について相談できる専門家を頼ることも選択肢の一つだと思います。

第一声が出ないことで自分の可能性まで否定しないでほしい

若い頃の私は、吃音で失敗するたびに、

「自分は社会で通用しないのではないか」

と本気で悩んでいました。

それでも金融機関で働き、その後は不動産業界へ転職しました。

そして、人と話すことが仕事ともいえる営業職を続けてきました。

若い頃の自分が今の姿を見たら、おそらく驚くと思います。

もちろん、これは私自身の一つの経験にすぎません。

それでも今、

「朝の挨拶が怖い」

「電話を取るのが怖い」

「第一声が出ないから仕事を辞めたい」

と悩んでいる方に、

吃音だけで、自分の仕事や人生の可能性まで決めつけないでほしい。

これは、長年吃音に悩んできた一人としてお伝えしたいことです。

うまく言葉が出ない日があってもいい。

自分なりの言い方を探してもいい。

そして、本当につらいときには誰かに相談してもいい。

この記事で紹介した私の失敗談や工夫が、今まさに第一声が出ずに悩んでいる方にとって、一つでも参考になればうれしいです。

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【関連記事】

私が学生時代から社会人になるまで、吃音でどんなことに悩み、どのように向き合ってきたのかはこちらの記事で詳しくお話ししています(^_-)-☆


また、吃音に悩みながら営業の仕事を続けてきた経験については、こちらの記事で詳しくお話ししています。


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました(^_-)-☆

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【吃音でも営業職はできる?】私が不動産営業でトップ営業マンになった実体験

吃音でも営業職はできる?不動産営業で結果を出した私の実体験

「吃音がある自分に、営業職は向いていないのではないか?」

「お客様の前で言葉に詰まったらどうしよう……」

「電話や挨拶で第一声が出ないのに、営業なんてできるのだろうか?」

吃音に悩みながら営業職を目指している方や、すでに営業の仕事をしている方の中には、このような不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。

私自身、中学生の頃から吃音に悩んできました。

特に苦手だったのが「ア行」と「タ行」です。

社会人になってからも、

「おはようございます」

「ありがとうございました」

「お先に失礼します」

といった仕事で毎日のように使う言葉の第一声が出ず、何度もつらい思いをしました。

 

新卒で金融機関に就職した20代の頃には、

「こんな自分が社会でやっていけるのだろうか」

と本気で悩んだこともあります。

それでも私は、その後金融機関から不動産業界へ転職しました。

不動産営業は、お客様との会話、電話対応、商談、契約など、人と話すことを避けて通れない仕事です。

そんな仕事に飛び込んだ私ですが、営業成績を伸ばすことができ、トップグループに入るまでになりました。その後も不動産業界で仕事を続け、現在は営業部長として働いています。

吃音に悩みながら不動産営業を続けてきたメタボ父さん

新卒で金融機関に就職し7年間、融資係を経験した後に1度目の転職で不動産業界に再就職をしました。不動産業界では売買営業マンとして働き、会社や上司に恵まれたおかげで平均的なサラリーマン収入より高い稼ぎが得られて金融機関時代より3倍の年収になりました。

その後、子どもが産まれて子どもの運動会に参加したい等、仕事だけでなくまともな時間が欲しくなり現在の会社に2度目の転職をしました。無我夢中に一生懸命仕事をしているうちに仕事が楽しくなり、40歳を超えたあたりで人生哲学ができて現在の仕事を適職と思えるようになりました。

だから私は、自分自身の経験から、

「吃音がある=営業職ができない」ではない

と感じています。

もちろん、吃音の症状や困っている場面は人それぞれ違います。

私の経験が、すべての吃音のある方にそのまま当てはまるわけではありません。

また、この記事は「吃音があれば営業職を選ぶべき」という話でもありません。

この記事でお伝えしたいのは、

吃音だけを理由に、自分の仕事の可能性まで最初から狭める必要はないのではないか

という、私自身の実体験から感じていることです。

この記事では、中学生から30代まで吃音に悩んだ私が、なぜ人と話す不動産営業の仕事を選び、どのように営業を続けてきたのか。

そして、吃音に悩みながら営業で結果を出す中で気づいた「営業で本当に大切だったこと」を、私自身の経験をもとにお話しします。

第1章|吃音があると営業職は厳しい?私自身もそう思っていました

「人と話す仕事なんて無理かもしれない」と思っていた

吃音に悩んでいた若い頃の私は、

「自分は人と話す仕事には向いていないのではないか」

と思うことがありました。

営業職と聞くと、

「話が上手な人」

「お客様の前でスラスラ説明できる人」

「どんな相手とも会話を盛り上げられる人」

そんなイメージを持つ方も多いと思います。

私自身も昔はそう思っていました。

ところが私は、社会人になってからも第一声が出ないことに悩んでいました。

特に苦手だった「ア行」と「タ行」では、仕事で何度も言葉に詰まりました。

「おはようございます」

「ありがとうございました」

「田中さんをお願いします」

頭の中では言いたい言葉が分かっているのに、最初の一音が出てこない。

そんな自分が営業職に就くなんて、若い頃の私には考えにくいことでした。

吃音があるから営業職に向いていないとは限らない

しかし、その後の私の経験は違いました。

金融機関から不動産業界へ転職し、私は営業職として働くことになります。

当然、転職したからといって吃音が突然なくなったわけではありません。

お客様との会話でも言葉に詰まることはありましたし、電話対応で困ることもありました。

それでも営業の仕事を続けていくうちに、私は一つのことに気づきました。

営業の成績は、「どれだけ流暢に話せるか」だけで決まるものではない。

お客様の話をきちんと聞く。

約束したことを守る。

分からないことがあれば調べる。

商品や不動産について勉強する。

そして、お客様が何を求めているのかを考える。

こうしたことも営業では、とても大切でした。

私自身、吃音に悩みながら営業の仕事を続け、その中で営業成績を伸ばしていくことができました。

だから今の私は、

「吃音があるから営業職は無理」と最初から決めつける必要はない

と、自分自身の経験から感じています。

もちろん、吃音の症状や仕事への影響は人によって違います。

営業職がすべての人に向いているという意味でもありません。

ただ、かつての私のように、

「吃音があるから、人と話す仕事は諦めるしかない」

と思っている方には、吃音だけで自分の職業の可能性まで決めなくてもいいのではないかとお伝えしたいです。

次の章では、そんな私が金融機関から不動産業界へ転職し、なぜ営業の仕事をすることになったのかをお話しします。

第2章|吃音に悩んだ私が不動産営業へ転職した理由

新卒では金融機関に就職しました

私は新卒で金融機関に就職し、7年間働きました。

当時の私はまだ吃音に強く悩んでいた時期です。

金融機関では、お客様への挨拶はもちろん、電話対応や職場での報告など、人と話す場面がたくさんあります。

特に私が苦手だった「ア行」と「タ行」から始まる言葉では、第一声が出ずに困ることが何度もありました。

そのたびに、

「こんな自分が、この先社会人としてやっていけるのだろうか」

と落ち込むこともありました。

それでも7年間働き続け、融資の仕事などを経験する中で、少しずつ社会人としての経験を積んでいきました。

異業種の不動産業界へ転職しました

その後、私は金融機関を退職し、不動産業界へ転職しました。

しかも選んだのは、不動産の営業職です。

今考えると、吃音に悩み「人前でうまく話せない」と苦しんでいた自分が、あえて人と話す営業の世界へ飛び込んだことになります。

不動産営業では、お客様の希望を聞き、物件について説明し、ときには資金計画や住宅ローンについて話し、契約まで進めていかなければなりません。

当然、会話をする機会は金融機関にいた頃以上に増えました。

だからといって、転職した途端に吃音がなくなったわけではありません。

言葉に詰まることもありました。

「うまく話さなければ」

と緊張することもありました。

それでも仕事を続けていくうちに、私は少しずつ、

「営業は、話が上手な人だけが結果を出す仕事ではない」

と感じるようになっていきました。

営業の仕事で私が大切にしたこと

私はもともと、自分では真面目な性格だと思っています。

営業でも、うまい言葉でお客様を説得するというより、

一生懸命に説明すること。

分からないことをごまかさないこと。

お客様との約束を守ること。

必要な知識を身につけること。

そんな当たり前のことを大切にしていました。

言葉に詰まってしまっても、こちらが一生懸命説明していることを理解してくださるお客様もいました。

そして私は、不動産営業を続ける中で少しずつ成績を伸ばし、転職して1年ほどで営業のトップグループに入ることができました。

若い頃、

「吃音がある自分に営業なんてできるのだろうか」

と思っていた私にとって、これは大きな経験になりました。

吃音があることと、営業マンとしてお客様から信頼していただけるかどうかは、必ずしも同じではない。

私は仕事を通して、そう感じるようになりました。

次の章では、吃音に悩んでいた私が実際にどのように営業成績を伸ばしていったのか、もう少し具体的にお話しします。

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第3章|吃音に悩んだ私が営業で結果を出せた実体験

転職して1年ほどで営業トップグループへ

不動産業界へ転職した当初の私は、営業経験が豊富だったわけではありません。

しかも、吃音の悩みが完全になくなっていたわけでもありませんでした。

お客様との会話で言葉に詰まることもあれば、

「うまく説明できるだろうか」

と不安になることもありました。

それでも、目の前のお客様に一生懸命向き合いながら仕事を続けました。

その結果、転職して1年ほどで営業成績を伸ばし、営業のトップグループに入ることができました。

さらに収入も、金融機関で働いていた頃と比べて大きく増えました。

ここでお伝えしたいのは、私の成績や収入を自慢したいということではありません。

若い頃の私は、

「吃音がある自分には、人と話す仕事は難しいのではないか」

と本気で悩んでいました。

そんな私でも、人と話すことが仕事ともいえる不動産営業の世界で働き続け、結果を出すことができた。

その事実を、今まさに吃音と仕事のことで悩んでいる方にお伝えしたいのです。

言葉に詰まっても、お客様との関係はそれだけでは決まりませんでした

営業を始めた頃も、私は会話の途中で言葉に詰まることがありました。

しかし実際に営業の現場に出てみると、お客様が見ているのは話し方だけではないことに気づきました。

一生懸命説明する。

質問されたことにきちんと答える。

分からなければ調べて回答する。

約束した日時には必ず連絡する。

そして、お客様の話をよく聞く。

こうした一つひとつの積み重ねによって、信頼していただけることがありました。

私はもともと真面目そうに見られることが多かったこともあり、言葉に詰まりながら一生懸命説明している姿を、悪く受け取られないこともありました。

もちろん、これは私の場合の経験です。

「吃音が営業の武器になる」

と、すべての方に当てはまるように言うつもりはありません。

ただ少なくとも私の場合は、吃音があるからという理由だけで、お客様との信頼関係を築けないということはありませんでした。

「話が上手=営業成績が良い」ではありませんでした

営業の仕事を続ける中で、私はもう一つ大切なことに気づきました。

それは、

話が流暢なことと、営業で結果を出すことは必ずしも同じではない

ということです。

もちろん、分かりやすく説明する力やコミュニケーション能力は営業にとって大切です。

しかし、それだけではありません。

お客様が何に困っているのかを聞く力。

相手の立場になって考える力。

商品や不動産について勉強する姿勢。

約束を守る誠実さ。

そして、最後まで責任を持って対応すること。

私自身は、こうした部分を大切にしてきました。

若い頃は、

「どもらず、うまく話さなければ営業なんてできない」

と思っていた私ですが、実際に営業の仕事を経験したことで、その考えは変わっていきました。

吃音があるかどうかだけで、その人が営業職に向いているかどうかは決められない。

これが、不動産営業を長く経験してきた私自身の実感です。

次の章では、さらに一歩踏み込んで、「営業で本当に大切だったものは何だったのか」を、私の経験からお話しします。

第4章|営業は「話が流暢」なだけで決まらないと気づいた

営業で大切だったのは「うまく話すこと」だけではなかった

不動産営業を始めた頃の私は、吃音があることをかなり気にしていました。

お客様の前で言葉に詰まると、

「営業マンなのに、こんな話し方で大丈夫だろうか」

と不安になることもありました。

しかし、実際に営業の仕事を続けていくと、成績を左右するものは話し方だけではないと気づきました。

不動産を購入するお客様にとって、住宅はとても大きな買い物です。

だからこそ、お客様が求めているのは、単に話が上手な営業マンではありませんでした。

「この人なら信用できそうだ」

「この人なら安心して相談できそうだ」

そう思っていただくことが、とても大切だったのです。

「話す力」以上に「聞く力」が大切だった

営業というと、こちらから商品を説明したり、お客様を説得したりする仕事だと思われがちです。

私も若い頃は、営業マンは話が上手でなければいけないと思っていました。

ところが、実際の営業では自分が話すこと以上に、お客様の話を聞くことが重要でした。

「なぜ家を探しているのか」

「どんな暮らしをしたいのか」

「何を不安に感じているのか」

「予算についてどんな悩みがあるのか」

こうした話を聞かなければ、お客様に合った提案はできません。

「吃音に悩みながら営業でお客様の話を聞く大切さに気づいた実体験」

 

吃音に悩んでいた私は、話すことについて人一倍気にしていました。

しかし営業を経験するうちに、

「自分がうまく話すこと」より、「相手の話をきちんと聞くこと」に意識を向ければいい

と思えるようになりました。

これは、私にとって大きな変化でした。

知識と誠実さで補えることもたくさんありました

もう一つ、私が営業で大切にしてきたのが知識です。

不動産営業では、物件について説明するだけではありません。

住宅ローン、契約、税金、法律など、お客様からさまざまな質問を受けます。

私は金融機関で融資の仕事を経験していたこともあり、その経験が不動産営業でも役立ちました。

そして、分からないことがあれば曖昧に答えるのではなく、

「確認してからきちんと回答します」

という姿勢を大切にしてきました。

言葉に詰まることがあっても、知識を増やすことはできます。

約束を守ることもできます。

お客様の話を真剣に聞くこともできます。

一生懸命に仕事をすることもできます。

私は、こうした部分を積み重ねることで、吃音への不安だけにとらわれず営業の仕事に向き合えるようになっていきました。

そして振り返ってみると、営業で結果を出せた理由は、吃音を完全になくしてから営業をしたからではありません。

吃音に悩みながらも、自分にできることを一つずつ増やしていったからだと思っています。

次の章では、そんな私が吃音に悩んだからこそ営業の現場で意識してきたことをお話しします。

第5章|吃音に悩んだからこそ営業で意識したこと

吃音を隠そうとすることばかり考えていました

若い頃の私は、人前でどもることをとても恥ずかしく感じていました。

「次の言葉で詰まったらどうしよう」

「お客様に変な人だと思われないだろうか」

「営業マンなのに、うまく話せないと思われたらどうしよう」

そんなことばかり考えていた時期があります。

ところが、営業の仕事を続けているうちに少しずつ考え方が変わっていきました。

どもらないようにすることばかりに意識を集中させるより、

「多少言葉に詰まっても、一生懸命伝えればいい」

と思えるようになっていったのです。

自分のキャラクターまで否定する必要はないと思った

旧記事で私は、これを「吃音する人物キャラクターを演じる」と表現していました。

今振り返ると、「演じる」というより、

吃音も含めて、自分の持ち味を必要以上に隠そうとしなくなった

という方が近いと思います。

私は昔から、周囲から真面目そうに見られることが多いタイプでした。

20代から30代前半の営業マン時代、言葉に詰まりながら汗をかいて一生懸命説明している私を見て、その姿勢を受け止めてくださるお客様もいました。

もちろん、これは私自身の経験です。

吃音そのものが営業の武器になる、と言いたいわけではありません。

ただ、

「どもってはいけない」

「完璧に話さなければいけない」

と考えすぎる必要もないのではないか。

私は営業の仕事を通じて、そう感じるようになりました。

苦手なことより、自分の得意なところを伸ばした

「吃音に悩みながら仕事の経験と自信を一つずつ積み重ねた実体験」

 

 

吃音に悩んでいた頃は、自分のできないことばかりに目が向いていました。

しかし営業マンとして働く以上、吃音以外にも身につけられることはたくさんあります。

不動産の知識を増やす。

お客様の話をよく聞く。

笑顔で接する。

連絡を早くする。

約束を守る。

分からないことをそのままにしない。

そして何より、一生懸命仕事をする。

私は、こうした自分で伸ばせる部分を一つずつ積み重ねていきました。

すると仕事で結果が出るようになり、自分自身にも少しずつ自信がついてきました。

そして私の場合、その自信が積み重なっていくにつれて、以前ほど吃音のことばかりを考えなくなっていきました。

これは「自信をつければ吃音が治る」という意味ではありません。

あくまで私自身について振り返ると、仕事の経験や成功・失敗を重ね、自分なりの仕事のやり方ができていくことで、吃音への向き合い方も変わっていったということです。

第一声が出ないときは自分なりの工夫もしていました

とはいえ、考え方を変えるだけで、仕事中の困りごとがすべてなくなったわけではありません。

「おはようございます」

「ありがとうございました」

「お先に失礼します」

など、第一声が出にくい場面では、私なりにさまざまな工夫をしてきました。

この具体的な方法については、別の記事で詳しくまとめています。

【関連記事】

【吃音症の治し方】克服した本人が語る乗り越える方法と苦悩からの解放!

 

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第6章|吃音を理由に仕事の可能性を狭めないでほしい

「吃音だから営業職は向いていない」と決めつけなくていい

私が吃音について調べていたとき、

「吃音のある人には、人とあまり接しない仕事が向いている」

という趣旨の情報を目にしたことがあります。

吃音を理由に仕事の選択肢を狭めるべきか悩む男性

 

もちろん、人と話す機会が少ない仕事を選ぶことで、気持ちが楽になる方もいると思います。

そして、どんな仕事を選ぶかは本人が決めることです。

ただ、私自身の経験からは、

「吃音があるから営業職は無理」

「人と接する仕事は避けた方がいい」

と最初から職業の選択肢を狭める必要はないと感じています。

私自身が、まさに人と接する不動産営業の仕事を長く続けてきたからです。

吃音以外にも、その人にはたくさんの強みがある

仕事には、それぞれ必要とされる能力があります。

営業であれば、話す力もその一つでしょう。

しかし、それだけで営業マンの価値が決まるわけではありません。

人の話を聞くことが得意な人。

真面目にコツコツ取り組める人。

相手の気持ちを考えられる人。

専門知識を身につけるのが得意な人。

行動が早い人。

最後まで責任を持って仕事をする人。

人には、それぞれ違った強みがあります。

吃音に悩んでいると、どうしても、

「自分はうまく話せない」

という一つの部分ばかりが気になってしまうことがあります。

私もそうでした。

でも、自分の仕事人生を振り返ると、吃音とは別の部分を評価してもらったことが何度もありました。

だからこそ、吃音だけを見て、

「自分にはこの仕事はできない」

と、自分自身の可能性まで決めてしまうのは、もったいないと思っています。

営業職を選ぶかどうかは、自分で決めていい

もちろん、私は「吃音がある人は営業職をやるべきだ」と言いたいわけではありません。

営業が合う人もいれば、別の仕事の方が力を発揮できる人もいます。

吃音の症状や困りごとの程度も、一人ひとり違います。

だから大切なのは、

「吃音があるから」という理由だけで決めるのではなく、自分が何をしたいのか、何が得意なのかも含めて仕事を考えること

だと思います。

私の場合は、それが不動産営業でした。

若い頃の私は想像もしていませんでしたが、営業の仕事を続けるうちに結果が出るようになり、やがて部下を持つ立場にもなりました。

そして長く働く中で、

「この仕事は自分に合っている」

と思えるようになりました。

吃音に悩んでいる若い方がこの記事を読んでいるなら、私は自分の経験の一つとして伝えたいです。

吃音だけで、自分の将来の仕事まで決めつけなくてもいい。

自分には何ができるのか。

どんな仕事をしてみたいのか。

その可能性も一緒に考えてほしいと思います。

次の章では最後に、吃音に長年悩んできた私が、今だからこそ仕事について伝えたいことをまとめます。

第7章|まとめ:吃音に悩んだ私が営業職について今思うこと

私は中学生の頃から吃音に悩み、社会人になってからも長い間、言葉に詰まることを気にして生きてきました。

特に20代の頃は、

「このまま吃音が続いたら、仕事はどうなるのだろう」

「人と話す仕事なんて、自分には無理なのではないか」

そんな不安を抱えたこともあります。

それでも私は、新卒で入った金融機関で7年間働き、その後、不動産業界へ転職しました。

そして、あれほど「人と話すこと」に不安を感じていた私が、不動産営業の仕事をするようになりました。

振り返ってみると、吃音が完全になくなってから仕事がうまくいったわけではありません。

吃音に悩みながら、仕事を続けてきた。

こちらの方が、私の経験を正確に表していると思います。

仕事の経験が自分への自信につながっていった

営業の仕事では、成功したこともあれば失敗したこともあります。

お客様に喜んでいただいたこと。

営業成績が伸びたこと。

上司から評価してもらったこと。

後輩や部下ができたこと。

そうした経験を一つひとつ積み重ねるうちに、私の場合は少しずつ自分の仕事に自信を持てるようになりました。

そして不思議なことに、自分に自信がついてくるにつれて、

「どもったらどうしよう」

と考える時間も以前より減っていきました。

もちろん、これは私自身の経験です。

「仕事で自信をつければ吃音が治る」

「年齢を重ねれば吃音がなくなる」

という意味ではありません。

ただ私の場合は、仕事や人生の経験を重ねていく中で、吃音との付き合い方そのものが変わっていったのだと思います。

吃音だけで自分の可能性を決めないでほしい

もし今、

「吃音があるから営業職は無理だ」

「人と話す仕事は諦めよう」

と思っている方がこの記事を読んでいるなら、私の経験も一つの事例として知っていただけたらと思います。

私は吃音に悩みながら不動産営業の世界に入り、営業成績を伸ばし、その後も不動産業界で仕事を続けてきました。

営業の仕事で必要だったのは、流暢に話すことだけではありませんでした。

相手の話を聞くこと。

知識を身につけること。

約束を守ること。

誠実に対応すること。

そして、一生懸命仕事に向き合うこと。

こうしたことも、お客様との信頼関係を築くうえで大切でした。

だから私は今でも、

「吃音がある=営業職ができない」ではない

と思っています。

営業職を選ぶか、別の仕事を選ぶか。

それを決めるのは自分自身です。

吃音だけを理由に、自分が本当にやってみたい仕事まで最初から諦める必要はないのではないでしょうか。

私の経験が、仕事や将来について悩んでいる方にとって、少しでも一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しく思います。

 

【関連記事】

吃音そのものについて、私が長年悩んだ経験や向き合い方はこちらの記事でも詳しくお話ししています。

【吃音症の治し方】克服した本人が語る乗り越える方法と苦悩からの解放!

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会社を辞めると言えない人へ!退職の伝え方と退職代行を営業部長が解説

会社を辞めると言えずに悩む男性会社員と相談に応じる上司。退職の伝え方と退職代行サービスの注意点を解説 コピー

「会社を辞めたい。でも、上司に言い出せない……」

退職を言い出せず、オフィスで一人悩むスーツ姿の会社員

「自分が辞めたら、同僚に迷惑がかかるかもしれない」

「退職を伝えたら、引き止められたり怒られたりしそうで怖い」

そんな悩みを抱えていませんか?

こんばんは、メタボ父さんです!(^_-)-☆

私は現在55歳。不動産会社の営業部長として働いています。

これまで2度の転職を経験しましたが、最初の転職では、会社を辞めるまでに2年間もかかりました。

新卒で入社した金融機関で7年間働きましたが、20代の頃は給与や仕事内容、上司との人間関係に不満を感じていたのです。

それでも、なかなか「辞めます」の一言が言えませんでした。

お世話になった先輩や同僚に迷惑をかけたくない。

上司に反対されたら、どうすればよいのだろう。

そんなことばかり考えていました。

ようやく退職の意思を伝えたときも、上司から引き止められ、別の支店へ異動することになりました。

結局、異動先でさらに1年間働き、最初に転職を考えてから2年後に不動産業界へ転職しました。

今振り返ると、もう少し早く自分の将来について決断できたのではないかと思います。

しかし、退職を伝えることに悩む気持ちは、今でもよくわかります。

そして現在、私は営業部長として社員の採用や退職にも関わる立場になりました。

退職する側と、退職の申し出を受ける側。

両方の立場を経験して感じるのは、退職は相手に遠慮して我慢し続けるものでも、勢いだけで決めるものでもないということです。

会社を辞める意思が固まっているなら、適切な方法で伝えることが大切です。

どうしても自分では言えない場合には、退職代行サービスなどの選択肢もあります。

ただし、退職代行を利用すれば必ず即日退職できるわけではなく、依頼先によって対応できる範囲も異なります。

この記事では、私自身の転職経験と営業部長としての経験をもとに、次の内容を解説します。

  • 会社を辞めると言い出せない理由
  • 上司に退職の意思を伝える方法
  • 強く引き止められたときの対処法
  • 退職代行サービスの仕組みと注意点
  • 退職する前に確認したいこと

「会社を辞めたいけれど、どうしても言えない

そんな方が、自分に合った方法で次の一歩を踏み出すための参考になれば嬉しいです。

それでは、一緒に考えていきましょう!(^_-)-☆

1:会社を辞めると言えない5つの理由

「もう会社を辞めよう」

そう決めたはずなのに、いざ上司を目の前にすると、なかなか言葉が出てこない。

そんな経験はありませんか?

私自身、金融機関を辞めるときに同じような経験をしました。

退職を伝えられない人には、いくつか共通する悩みがあると思います。

(1)上司に怒られたり、引き止められたりするのが怖い

会社を辞めると伝えたとき、上司がどのような反応をするのか。

これは大きな不安の一つでしょう。

「今辞められたら困る」

「もう少し頑張ってみないか」

そんな言葉をかけられると、自分の決断が間違っているように感じることもあります。

私も金融機関を辞めようとしたとき、上司から引き止められました。

結果として別の支店へ異動し、さらに1年間働くことになりました。

当時は上司の言葉に迷い、自分の意思を貫くことができなかったのだと思います。

ただし、上司から引き止められたとしても、退職するかどうかを最終的に考えるのは自分自身です。

(2)同僚に迷惑をかけたくない

自分が会社を辞めたら、残された同僚の仕事が増えてしまう。

会社を辞めたいが同僚に迷惑をかけたくないと悩む男性会社員と、仕事をする同僚たち コピー

そう考えると、申し訳ない気持ちになりますよね。

私も金融機関で働いていた頃、お世話になった先輩や同僚のことが気になっていました。

仕事で困ったときに助けてもらったこともありましたから、簡単に辞めるとは言えませんでした。

しかし、現在は営業部長として社員の退職を受ける立場になり、考え方が変わりました。

社員が退職したとき、業務を引き継ぎ、必要に応じて人員を補充することは、会社側が考えなければならない問題です。

もちろん、可能な範囲で引き継ぎを行うことは大切です。

それでも、同僚への申し訳なさだけを理由に、自分の将来を諦める必要はないと思います。

(3)お世話になった会社への罪悪感がある

新卒で入社した会社や、長年勤めた会社ほど、退職を伝えにくいものです。

入社後に仕事を教えてくれた上司や、育ててくれた会社に対して、恩を感じている人もいるでしょう。

私も新卒で入社した金融機関には、お世話になったという気持ちがありました。

その一方で、仕事や将来への不安を抱えていました。

そこで今、私が思うのは、感謝することと、働き続けることは別だということです。

お世話になった会社に感謝しながら、新しい道へ進む選択もあります。

(4)転職先が決まっておらず、退職後の生活が不安

会社を辞めたい気持ちはあっても、次の仕事が決まっていなければ不安になります。

毎月の給与がなくなり、生活費や住宅ローンなどの支払いが心配になることもあるでしょう。

私の場合も、転職後の生活への不安がありました。

当時は転職情報誌を何度も購入しながら、なかなか次の行動を決められませんでした。

ただ、退職を決断することと、転職活動を始めることは別です。

心身に大きな負担がなく、今の会社で働き続けられる状況なら、在職中に求人情報を調べる方法もあります。

転職先が決まっていない方は、まず生活費と今後の選択肢を整理してみてください。

(5)退職の切り出し方がわからない

最後は、そもそも退職をどう伝えればよいのかわからないという悩みです。

「お時間をいただけますか?」

その一言を伝えるだけでも、緊張するものです。

特に上司との関係が悪かったり、普段から威圧的な態度を取られていたりすると、退職の話をすること自体が大きなストレスになります。

私も金融機関を辞めるとき、勇気を出して退職の意思を伝えましたが、引き止められて決断が揺らぎました。

今なら、退職理由や希望する退職日を事前に整理し、落ち着いて意思を伝えることが大切だったと思います。

また、上司に直接伝えるのが難しい場合には、人事担当者への相談や、書面による申し出なども考えられます。

深刻なハラスメントがある場合には、無理に上司と直接話す必要はありません。

退職を言い出せないのは、相手への配慮や将来への不安があるから

ここまで、会社を辞めると言えない5つの理由を紹介しました。

私自身、退職するまで2年間も悩みました。

しかし、現在は退職を受ける側になり、社員が辞めることも会社経営の中で想定しておくべきことだと感じています。

大切なのは、周囲への感謝や配慮を忘れずに、自分の将来についても考えることです。

会社に迷惑をかけたくない気持ちと、自分の人生を大切にする気持ちは、どちらも持っていてよいのです。

次の章では、上司に退職の意思を伝える具体的な方法を紹介します。

2:上司に退職を伝える方法と例文|営業部長が解説

「退職することは決めた。でも、何と言って伝えればよいのだろう?」

そんな方に、営業部長として社員の退職相談を受けてきた私から、具体的な伝え方を紹介します。

私自身、20代で金融機関を辞めるときは、上司に退職を切り出すだけでも大変でした。

今なら、もっと落ち着いて自分の意思を伝えられたのではないかと思います。

(1)まず退職の意思と希望日を整理する

上司に話す前に、退職する意思が固まっているのか、それともまだ迷っているのかを整理してみましょう。

もし退職を決めているなら、希望する退職日や引き継ぎの見通しも考えておくと、話を進めやすくなります。

ただし、会社の忙しさや後任者が決まるかどうかだけで、退職日がいつまでも先延ばしになる必要はありません。

また、雇用期間の定めがない労働契約では、原則として退職の申し入れから2週間で契約を終了できるという民法上のルールがあります。

一方、契約社員など雇用期間の定めがある場合は、契約内容や退職理由によって取り扱いが異なるため、個別に確認することが必要です。

(2)上司に面談の時間をお願いする

退職を伝えるときは、できれば落ち着いて話せる時間を確保しましょう。

私は営業部長として、社員から「少しお時間をいただけますか」と相談されることがあります。

突然、大勢の前で退職の話をするより、個別に話せる時間を設けた方が、お互いに落ち着いて話せると思います。

例えば、次のような伝え方で十分です。

【面談をお願いする例文】

「今後の働き方についてご相談したいことがあります。少しお時間をいただけますでしょうか」

ただし、上司からのハラスメントなどがあり、直接話すことが難しい場合は、無理に面談する必要はありません。

人事担当者への連絡や、書面による申し出など、状況に応じた方法を考えてください。

(3)退職の意思は曖昧にせず伝える

会社を辞める意思を上司に伝え、退職届を手渡す男性会社員の面談風景

退職を決めている場合、「辞めようか迷っています」という伝え方では、相談なのか退職の申し出なのかがわかりにくくなります。

もちろん、まだ迷っているなら相談でも構いません。

しかし、すでに退職を決断しているのであれば、その意思を明確に伝えることが大切です。

【退職を伝える例文】

「突然のお話で申し訳ありませんが、一身上の都合により退職することを決めました。〇月〇日付での退職を希望しております。これまでお世話になったことには感謝しております。引き継ぎについては、可能な範囲で責任を持って対応したいと考えています」

退職理由について、必要以上に個人的な事情を詳しく説明する必要はありません。

また、事実と異なる理由を無理に作る必要もないと思います。

大切なのは、感謝の気持ちを伝えながら、退職の意思を明確にすることです。

(4)強く引き止められたときの答え方

退職を伝えたあと、上司から引き止められることもあります。

「もう少し頑張ってほしい」

「異動するから考え直してくれないか」

私自身、金融機関を辞めるときには、引き止められた結果、別の支店でさらに1年間働きました。

もちろん、異動や待遇改善によって悩みが解決するなら、残る選択もあります。

ただし、退職の意思が固まっているなら、断り方を事前に考えておきましょう。

【引き止められたときの例文】

「ご配慮いただき、ありがとうございます。ただ、今後の働き方について十分に考えたうえで決断しましたので、退職の意思は変わりません」

感情的になって会社への不満を並べるよりも、落ち着いて同じ意思を伝える方が、話が進みやすいと思います。

(5)退職届は記録が残る形で提出する

口頭で退職の意思を伝えたあと、会社の手続きに従って退職届を提出することがあります。

また、上司が面談に応じない場合や、退職の申し出を受け付けてもらえない場合は、書面など記録が残る方法を検討してください。

【退職届の文例】

退職届

私儀

このたび、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。

令和〇年〇月〇日

所属部署 〇〇部

氏名 〇〇〇〇

株式会社〇〇

代表取締役 〇〇〇〇 殿

なお、退職の効力や必要な手続きは、雇用契約の種類や個別の事情によって異なります。

退職を認めてもらえない、脅されている、賃金が支払われないといったトラブルがある場合は、労働局の総合労働相談コーナーや弁護士などへの相談を検討してください。

(6)退職する側も受ける側も、冷静な対応が大切

私は現在、社員の退職を受ける立場にいます。

もちろん、社員が退職するときは、仕事の引き継ぎや今後の人員配置を考えなければなりません。

しかし、それは会社が対応すべき課題でもあります。

社員が自分の将来を考えて退職を決断したなら、その意思を尊重することが大切だと思っています。

一方で、退職する側も、お世話になった会社や同僚への配慮を忘れず、できる範囲で引き継ぎを行うことが望ましいでしょう。

ただし、ハラスメントや体調不良などで出勤が難しい場合に、無理をしてまで直接対応する必要はありません。

退職は、相手の許しを得るために自分の人生を諦めるものではありません。

自分の意思を大切にしながら、適切な手続きを進めてほしいと思います。

次の章では、どうしても自分で退職を伝えられない場合の選択肢として、退職代行サービスについて説明します。

3:退職代行サービスとは?仕組みと依頼先の違いを解説

「会社を辞めたい。でも、どうしても上司に伝えられない……」

そんな方にとって、退職代行サービスは一つの選択肢になります。

私が金融機関を辞めようとしていた20代の頃は、退職の意思を上司に伝えるだけでも大変でした。

実際に引き止められ、別の支店へ異動することになり、最終的に転職するまで2年間かかりました。

現在は不動産会社の営業部長として、社員の退職を受ける立場にいます。

その経験から、退職に関する話し合いを一人で抱え込まないことも大切だと感じています。

ただし、退職代行サービスは、どこに依頼しても同じ対応が受けられるわけではありません。

利用する前に、仕組みや法律上の違いを確認しておきましょう。

退職代行サービスの依頼先である民間企業・労働組合・弁護士の対応範囲と特徴を比較した図

(1)退職代行サービスは何をしてくれるのか

退職代行サービスの依頼先である民間企業・労働組合・弁護士の料金目安や対応範囲を比較した図

退職代行サービスとは、本人に代わって勤務先へ退職の意思を伝えるなど、退職に関する連絡を支援するサービスです。

上司と直接話すことが難しい方にとって、精神的な負担を軽減する助けになる場合があります。

ただし、退職代行に申し込んだからといって、必ずその日から出勤する必要がなくなるわけではありません。

また、有給休暇の取得や未払い賃金の請求などについて、依頼先がどこまで対応できるかも異なります。

特に重要なのが、サービスを運営している主体です。

(2)民間企業が運営する退職代行

民間企業が運営する退職代行では、一般的に、勤務先へ本人の退職意思を伝えるサービスが提供されています。

例えば、本人が決めた退職希望日や連絡事項を会社に伝えるといった対応です。

ただし、弁護士資格を持たない事業者が、報酬を得て法律上の紛争について交渉することには制限があります。

そのため、退職日や有給休暇、未払い賃金などについて勤務先との法的な交渉が必要な場合、民間企業の退職代行では対応できないことがあります。

料金だけでなく、どこまで対応できるサービスなのかを確認してください。

(3)労働組合が運営する退職代行

労働組合が運営する退職代行もあります。

労働組合には、労働条件などについて使用者と団体交渉を行う権利があります。

そのため、適法な労働組合が組合員のために行う団体交渉であれば、一般的な民間企業の退職代行とは対応できる範囲が異なります。

ただし、労働組合を名乗っていれば、どのような交渉でも自由に行えるというわけではありません。

実際の運営主体や組合への加入関係、交渉内容などによって判断が必要です。

また、退職に伴う損害賠償請求など、法律上の紛争について幅広い代理業務ができるとは限りません。

依頼する前に、運営組織と対応範囲を確認しましょう。

(4)弁護士が対応する退職代行

退職に関して勤務先と法的な争いがある場合は、弁護士への相談が適しています。

例えば、次のようなケースです。

  • 未払い残業代や賃金を請求したい
  • 退職を妨害されている
  • 会社から損害賠償を請求されている
  • ハラスメントについて法的な対応を考えている
  • 雇用契約の内容をめぐって争いがある

弁護士であれば、法律上の代理権に基づき、依頼された範囲で会社との交渉や必要な法的手続きに対応できます。

ただし、対応内容や費用は弁護士事務所によって異なります。

相談料、着手金、追加費用などについて事前に確認しましょう。

(5)退職代行を選ぶ前に確認したい5つのポイント

退職代行サービスを検討するなら、次の点を確認しておくことをおすすめします。

① 運営しているのは民間企業・労働組合・弁護士のどれか

② 勤務先との交渉が必要になった場合、どこまで対応できるか

③ 基本料金と追加費用はいくらか

④ 有給休暇や退職日の調整について、どのような支援が受けられるか

⑤ 退職できなかった場合の対応や返金条件はどうなっているか

特に注意したいのが「即日退職可能」「退職成功率100%」といった宣伝文句です。

連絡をした当日から会社に行かずに済む場合もありますが、雇用契約や有給休暇の状況、会社との合意などによって結果は異なります。

広告の言葉だけで判断せず、利用規約やサービス内容を確認しましょう。


上司に退職を言い出せない男性には「男の退職代行」という選択肢もある

職場の人間関係に疲れて、会社を辞めたいと思っていても、なかなか上司に退職を切り出せない人もいるでしょう。

特に、上司から強い引き止めを受けそうな場合や、退職を伝えた後の職場の雰囲気が心配な場合は、退職すること自体が大きなストレスになります。

そんな男性に知ってほしいサービスが「男の退職代行」です。

男の退職代行は、退職の意思を会社に伝える手続きを代行してくれる、男性向けの退職代行サービスです。

会社に退職を伝えることが精神的な負担になっている人にとって、選択肢の一つになります。

ただし、退職代行サービスによって対応できる範囲は異なります。料金や運営体制、会社との交渉が必要になった場合の対応などを事前に確認することが大切です。

一人で悩み続ける前に、どのようなサービスなのか確認してみてはいかがでしょうか。


 

営業部長として考える退職代行サービス

私は現在、社員の退職について相談を受ける立場にいます。

社員が退職するときには、会社側も業務の引き継ぎや人員配置を考えなければなりません。

しかし、それは会社が対応すべき問題でもあります。

本来であれば、社員が安心して退職の意思を伝えられる職場であることが望ましいと私は思っています。

それでも、上司との関係や精神的な負担によって、直接伝えられない事情がある方もいるでしょう。

そんなときは、退職代行を利用することも一つの方法です。

ただし、すべての人に退職代行が必要なわけではありません。

自分で退職を伝えられる場合もあれば、法律上の問題があるため弁護士に相談した方がよい場合もあります。

大切なのは、サービスの名前や料金だけではなく、自分の状況に合った依頼先を選ぶことです。

 

次の章では、退職代行サービスの料金や口コミを確認するときの注意点について説明します。

4:退職代行サービスの料金と口コミ・評判の見極め方

「退職代行を利用してみたいけれど、料金はいくらかかるの?」

「本当に会社を辞められるの?」

「口コミを見ても、どのサービスを選べばよいのかわからない」

そんな疑問を抱えている方もいると思います。

退職代行は、会社に退職の意思を伝えられない方にとって、一つの選択肢です。

しかし、料金の安さや口コミの評価だけで依頼先を決めることはおすすめしません。

特に、退職日や有給休暇、未払い賃金などについて会社との交渉が必要になる場合は、依頼先によって対応できる範囲が違います。

ここでは、退職代行の料金と口コミを確認するときのポイントを紹介します。

(1)退職代行の料金はサービスによって違う

退職代行の料金は、運営主体やサービスの内容によって異なります。

民間企業、労働組合、弁護士のいずれに依頼するかによっても、料金体系は変わります。

また、同じ運営形態でも、基本料金だけで対応するサービスもあれば、追加費用が発生するサービスもあります。

そのため、「退職代行なら一律〇〇円」と考えない方がよいでしょう。

料金を調べる際には、必ず依頼先の公式サイトで最新の情報を確認してください。

(2)基本料金だけでなく追加費用も確認する

私が特に確認してほしいのは、広告に大きく表示されている料金だけではありません。

例えば、次のような点です。

  • 相談だけなら無料なのか
  • 正社員・契約社員・アルバイトで料金が違うのか
  • 追加の相談や連絡に費用がかかるのか
  • 会社との交渉が必要になった場合はどうなるのか
  • 依頼を取り消した場合の返金条件はどうなっているのか

料金が安くても、必要な対応を受けられなければ、結果的に困ってしまう場合があります。

料金とサービス内容は、必ずセットで比較することが大切です。

(3)口コミを見るときに注意したいこと

退職代行サービスを選ぶ際、口コミや評判を参考にする方も多いでしょう。

実際に利用した人の感想は、サービスの雰囲気を知る参考になります。

ただし、口コミを読むときには注意も必要です。

例えば、「申し込んだ翌日から会社に行かずに済んだ」という口コミがあったとしても、同じ結果になるとは限りません。

雇用契約の種類、有給休暇の残日数、会社との合意状況などによって事情が違うからです。

また、広告サイトに掲載されている体験談と、第三者が投稿した口コミでは、情報の性質も異なります。

口コミを参考にするときは、投稿日や具体的な利用状況、出典などを確認しましょう。

(4)「即日退職」「成功率100%」という言葉に注意する

退職代行の広告では、「即日対応」「即日退職」などの表現を見かけることがあります。

しかし、ここで注意したいのは、即日対応と即日退職は同じ意味ではないということです。

即日対応とは、その日のうちに相談や連絡などを始められるという意味で使われる場合があります。

一方、即日退職とは、雇用契約をその日で終了することです。

実際の退職日は、契約内容や法律上のルール、会社との合意などによって異なります。

また、退職成功率についても、どのような条件で集計した数字なのか確認する必要があります。

宣伝文句だけを信じるのではなく、利用規約や説明内容をよく確認しましょう。

(5)料金よりも自分の状況に合うサービスを選ぶ

私は現在、不動産会社の営業部長として、社員の退職相談を受ける立場にいます。

会社を辞めるときには、単に退職の意思を伝えるだけで済む場合もあれば、労働条件などをめぐって問題になる場合もあります。

例えば、上司に退職の意思を伝えられないだけなら、意思を伝えるための支援が役立つかもしれません。

一方、未払い残業代の請求や損害賠償など、法律上の争いがある場合は、弁護士への相談を検討する必要があります。

私は、退職代行を利用すること自体が悪いとは思いません。

ただし、誰にでも必要なサービスというわけでもありません。

大切なのは、自分が何に困っているのかを整理し、その問題に対応できる依頼先を選ぶことです。

退職代行を申し込む前に、契約内容を確認しよう

退職代行を検討する場合は、料金、追加費用、対応範囲、返金条件などを事前に確認してください。

また、申し込んだからといって、必ず希望どおりの日に退職できるとは限りません。

退職日や有給休暇の取り扱いなどで疑問がある場合は、契約前に確認しましょう。

私自身、若い頃は上司に退職を伝えることができず、2年間も悩みました。

だからこそ、自分一人では解決できないと感じている方には、相談できる場所があることを知ってほしいと思っています。

ただし、焦って契約する必要はありません。

料金だけでなく、サービスの内容や運営主体を確認し、納得したうえで利用を判断してください。

次の章では、ここまでの内容を振り返り、会社を辞めると言えない方がどのように行動すればよいかをまとめます。

5:まとめ|会社を辞めると言えないときは、一人で悩まないでほしい

会社を辞めたいと思っていても、上司に退職を伝えるのは勇気がいるものです。

私自身、新卒で入社した金融機関を辞めるまでに2年間もかかりました。

当時は上司に退職を伝えることが怖く、お世話になった同僚への申し訳なさもありました。

ようやく退職の意思を伝えたときも、引き止められて別の支店へ異動することになりました。

その後、不動産業界への転職を決断し、ようやく新しい人生をスタートできたのです。

今振り返ると、もっと早く行動していればよかったと思うこともあります。

しかし、悩んだ経験があったからこそ、退職を言い出せない人の気持ちもわかるようになりました。

そして現在は、不動産会社の営業部長として、社員の退職の申し出を受ける立場にいます。

退職する側と受ける側の両方を経験して、私が大切だと思うのは、会社への配慮と、自分の人生を大切にすることを両立させるという考え方です。

会社を辞めると言えない人に伝えたい3つのこと

① 退職を伝えることに罪悪感を持ちすぎない

お世話になった会社や同僚への感謝は大切です。

しかし、その気持ちだけで自分の将来を諦める必要はありません。

② 退職を決めたなら、意思を明確に伝える

上司に退職を相談するのか、それとも退職を決めているのか。

自分の気持ちを整理して、落ち着いて伝えることが大切です。

引き止められたとしても、自分の希望や将来について考える時間を持ちましょう。

③ どうしても言えないときは、第三者に相談する

上司と直接話せない事情がある場合、無理に一人で対応する必要はありません。

人事担当者や公的な労働相談窓口、弁護士などに相談する方法があります。

また、退職の意思を伝えるために、退職代行サービスを利用する選択肢もあります。

ただし、退職代行は運営主体によって対応できる範囲が異なるため、料金だけで選ばないようにしてください。

最後に、退職で悩んでいる方へ

私が20代で転職を考えていた頃は、上司や親に反対されることが怖くて、なかなか行動できませんでした。

でも、今の自分から当時の自分に声をかけるとしたら、こう伝えたいです。

「会社への感謝は忘れなくていい。でも、自分の人生まで我慢し続ける必要はないよ」

もちろん、退職がすべての悩みを解決するとは限りません。

転職先が決まっていない場合は、生活費や今後の働き方を考えることも必要です。

一方、ハラスメントや心身の不調などで働き続けることが難しい場合は、転職先を決めることより、安全や健康を優先してほしいと思います。

大切なのは、焦って辞めることでも、我慢し続けることでもありません。

自分の状況を整理し、納得できる方法で次の一歩を踏み出すことです。


退職を言い出せずに悩んでいる男性へ

退職する意思が固まっていても、上司に直接伝えることが難しい場合もあります。

そんなときは、一人で抱え込まず、退職代行サービスを利用する方法もあります。

男性向けの「男の退職代行」も選択肢の一つです。

料金や対応内容を確認し、自分に合った方法を検討してみてください。


この記事が、会社を辞めると言えずに悩んでいる方のお役に立てば嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!(^_-)-☆

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【大人の吃音の治し方】克服した私が語る仕事の苦悩と乗り越えた体験談

大人の吃音の治し方|吃音を克服した私が仕事の苦悩と乗り越えた体験談を紹介


「言いたい言葉が出てこない」

「電話を取るのが怖い」

「人前でどもったらどうしよう」

吃音に悩んでいると、こんな不安を抱えることがありませんか?

私自身、長い間この悩みを抱えてきました。

特に苦手だったのが**「ア行」と「タ行」**です。

学生時代には、授業で先生に当てられて第一声が出ず、周りから笑われたこともありました。

社会人になってからは、

「ありがとうございました」

「田中さん」

といった、仕事では当たり前に使う言葉が出てこない。

電話を取ることさえ怖く感じた時期もあります。

当時の私は、

「こんな状態で社会人としてやっていけるのだろうか?」

と本気で悩んでいました。

それでも私は金融機関に就職し、その後、不動産業界へ転職しました。

そして、若い頃の自分からすれば信じられないことですが、人と話すことが仕事である営業職を続けることになります。

振り返ってみると、ある日突然、魔法のように吃音がなくなったわけではありません。

苦手な言葉を練習したり、第一声を出しやすくするために話し方を工夫したり、仕事で多くの人と接したり。

そうした経験を重ねる中で、私の場合は少しずつ、

「また、どもったらどうしよう」

という恐怖との付き合い方が変わっていきました。

この記事では、中学生の頃から吃音に悩んできた私自身の経験をもとに、

・学生時代にどんなことで苦しんだのか

・仕事で第一声が出ず、どんな経験をしたのか

・「ア行」「タ行」が出ないときに私が試したこと

・吃音に悩みながら、なぜ営業の仕事を続けられたのか

・現在振り返って、吃音との向き合い方についてどう感じているのか

をお話しします。

また記事の後半では、吃音そのものとは別に、

「人前で話すと強く緊張する」

「スピーチやプレゼンになると頭が真っ白になる」

といった「あがり症」にも悩んでいる方に向けて、一つの選択肢も紹介します。

※吃音とあがり症は同じものではありません。また、この記事は私自身の体験談であり、私が経験した方法ですべての方の吃音が改善するという意味ではありません。強く悩んでいる方は、医療機関や言語聴覚士など専門家への相談も選択肢としてご検討ください。

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第1章:大人の吃音は治る?私が長年の経験から感じていること

「大人になっても吃音は治るのだろうか?」

吃音に悩んでいる方なら、一度はそう考えたことがあるのではないでしょうか。

私自身も中学生の頃から吃音に悩み、学生時代だけでなく、社会人になってからも言葉が出ない苦しさを何度も経験してきました。

そもそも吃音とは、話すときに言葉や音を繰り返したり、引き伸ばしたり、最初の言葉が詰まって出てこなかったりする発話の問題です。

私の場合、特に困ったのが**「最初の一言が出ない」**ことでした。

私は「ア行」と「タ行」の第一声が出ませんでした

私の場合、特に苦手だったのが「ア行」と「タ行」です。

「ありがとうございました」

「田中さん」

たった一言なのに、最初の「あ」や「た」が出てこない。

言いたいことは頭の中にあるのに、言葉だけが出てこないのです。

学生の頃は「恥ずかしい」という気持ちが中心でしたが、社会人になると状況は変わりました。

電話対応、挨拶、接客、人前での会話――。

仕事では「言いたくないから言わない」というわけにはいきません。

そのため、

「また言葉が出なかったらどうしよう」

「どもったら周りからどう思われるだろう」

そんな不安を抱えながら仕事をしていた時期もありました。

私の場合は少しずつ吃音への恐怖が小さくなりました

それでも私は、話し方を工夫したり、自分なりに発音を練習したり、仕事でさまざまな経験を重ねたりしながら、少しずつ吃音への恐怖が小さくなっていきました。

その後、金融機関から不動産業界へ転職し、営業の仕事も経験しました。

吃音に悩んでいた私が、まさか人と話すことが仕事である「営業職」を続けられるとは、若い頃には想像できませんでした。

ただし、ここで私が伝えたいのは、

「私が経験した方法を試せば、誰でも必ず吃音が治る」

ということではありません。

吃音の症状や程度、困っている場面は人によって違います。

この記事で私がお伝えするのは、あくまで長年吃音に悩んできた一人の当事者として、

「私はどんなことで悩み、何を試し、どのように吃音と向き合ってきたのか」

という実体験です。

次は、私が吃音を強く意識するようになった学生時代の経験からお話しします。

第2章:学生時代に吃音で苦しんだ私の体験

私が「自分はどもる」と強く意識するようになったのは、中学生の頃だったと思います。

特に学生時代は、人前で話す機会があるたびに、

「言葉が出なかったらどうしよう」

「また、どもったら恥ずかしい」

と考えるようになっていました。

今振り返ると、吃音そのものの苦しさだけではなく、「どもるかもしれない」と人前で話す前から不安になることも、とてもつらかったのだと思います。

授業で先生に当てられるのが怖かった

学校では、授業中に先生から突然当てられることがありますよね。

私にとって、あれが本当に嫌でした。

私は特に「ア行」と「タ行」の第一声が苦手だったので、答えが頭の中では分かっているのに、最初の言葉が出てこないことがありました。

「分からない」のではありません。

答えたいのに、言葉が出ないのです。

何とか声を出そうとして、

「あっ……あっ……」

「たっ……たっ……」

となってしまう。

すると周りから、

「なんだよ~(笑)」

と笑われたり、クスクスと笑う声が聞こえたりすることもありました。

私自身はもともと明るい性格だったこともあり、吃音が原因でいじめられたという経験はありません。

それでも、みんなの前で言葉が出ず笑われるのは、やはり恥ずかしかったです。

好きな女の子の前でどもるのが恥ずかしかった

高校生になると、好きな女の子ができました。

授業中に先生から当てられて言葉が出なくなり、周りから笑われる。

そんなとき、私はつい横目で好きな女の子の方を見てしまいました。

すると、その子もクスクス笑っている。

顔が熱くなっていくのが自分でも分かるほど、恥ずかしかったことを覚えています。

もちろん、吃音があったから恋愛ができなかったという話ではありません。

でも一つだけ、今でもはっきり言えることがあります。

吃音を気にするあまり、自分から積極的になれなかったことはありました。

「話しかけて、どもったらどうしよう」

「変に思われないだろうか」

そんなことを考えてしまい、本当は話しかけたいのに一歩踏み出せない。

今思えば、吃音そのもの以上に、どもった自分をどう思われるかを怖がっていたのかもしれません。

「自分の吃音は治らない」と思うようになっていた

授業で当てられる。

言葉が出ない。

周りから笑われる。

そんな経験を繰り返しているうちに、

「自分の吃音は、このまま治らないのかもしれない」

と思うようになっていました。

当時の私は、吃音について詳しい知識があったわけでもありません。

誰かに相談したり、専門家に相談したりすることもありませんでした。

ただ、

「また、どもったらどうしよう」

という気持ちを抱えながら、学生生活を送っていました。

そして高校を卒業する頃になっても、吃音への不安がなくなったわけではありませんでした。

むしろ私にとって本当に大きな壁になったのは、社会に出て「話すこと」が仕事の一部になってからです。

次は、社会人になる前に働いた居酒屋で経験した、今でも忘れられない出来事をお話しします。

第3章:社会に出て初めて吃音の厳しさを知った

高校を卒業して社会に出る前、私は居酒屋でアルバイトをしました。

学生時代は、吃音で恥ずかしい思いをすることはあっても、何とかその場をやり過ごすことができました。

ところが、仕事となるとそうはいきません。

挨拶や接客など、「言葉が出ないから言わない」では済まされない場面がたくさんあります。

私が初めて、

「吃音がある状態で社会に出て働くというのは、こんなに大変なのか」

と実感したのが、この居酒屋での経験でした。

居酒屋で「ありがとうございました」が言えなかった

居酒屋では、

「いらっしゃいませ」

「ありがとうございました」

「お先に失礼します」

といった言葉を何度も使います。

ところが、私は「ア行」と「タ行」の第一声が苦手です。

特につらかったのが、お客様がお帰りになるときの、

「ありがとうございました」

でした。

頭の中では分かっています。

言わなければいけないことも分かっています。

それなのに最初の「あ」が出てこない。

「あっ……あっ……ありがとうございました」

というようになってしまうことがありました。

当時の店長から、

「お前、もっと落ち着いて話せよ」

と注意されることもありました。

でも私としては、

「落ち着いて話せば言える、という問題じゃないんだよ……」

という気持ちでした。

言いたい。

言わなければいけない。

でも第一声が出ない。

学生時代とは違い、お客様を相手にする仕事です。

この頃の私は、吃音が仕事にも影響することを強く意識するようになりました。

接客からキッチンに回され「社会で通用しない」と落ち込んだ

その後、私は接客中心の仕事から、キッチンでの皿洗いや仕込みの補助に回ることになりました。

もともと人と接することが好きだったので、自分では接客の仕事をしたいと思っていました。

それなのに、うまく話せないことが理由の一つとなって接客から外れる。

当時の私には、かなりショックでした。

「俺……社会で通用しないのかもしれない」

 

 

 

本気でそう思いました。

吃音があることで、これから仕事を選ぶときにも制限されてしまうのではないか。

社会人としてやっていけないのではないか。

そんな不安まで感じるようになりました。

ところが、この居酒屋での経験が、後になって私の吃音への向き合い方を変える大きなきっかけになります。

「実は俺もどもりだった」とマネージャーから打ち明けられた

キッチンに回ってしばらくした頃のことです。

閉店後、マネージャーから声をかけられました。

「ちょっと話をしよう」

そんな雰囲気だったので、私は、

「もしかして、バイトをクビになるのかな……」

と思いました。

ところが、話はまったく違いました。

マネージャーは私に、

「実は俺も、どもりで悩んだことがあるんだよ」

と打ち明けてくれたのです。

驚きました。

普段のマネージャーを見ていて、吃音で悩んだ経験があるなんて想像もしていなかったからです。

そして、自分が以前テレビの料理番組に出演したときの話をしてくれました。

番組の中で「赤エビ」と言わなければならなかったそうです。

ところが、「赤エビ」の最初の「あ」がどうしても出ない。

何度練習しても言葉に詰まってしまったそうです。

私が「ア行」で苦しんでいたのと同じでした。

「赤エビ」の話が私の考え方を変えてくれた

マネージャーは「赤エビ」を言えるようにするため、自分なりにいろいろ試したそうです。

そして、

笑顔を作るタイミングで「赤エビ」と言うと、自分の場合は比較的言いやすかった

ということに気づいたそうです。

そこから練習を重ねたという話を聞かせてくれました。

そして私に、

「だから、お前も自分なりに考えて工夫してみな。決して将来を悲観するなよ」

と言ってくれました。

この言葉は今でも覚えています。

それまで私は、

「どうして自分だけがこんな思いをしなければいけないんだ」

「自分は社会で通用しないのではないか」

と思っていました。

ところが、目の前にいるマネージャーも同じように悩んだ経験がある。

それでも仕事をして、人前で話し、料理人として活躍している。

その事実が、当時の私にはとても大きな希望になりました。

うれしくて、私は泣きました。

「どもらないようにする」より自分が言いやすい方法を探し始めた

それから私は、自分でもいろいろ試すようになりました。

例えば、

「ありがとうございました」

の最初の「あ」が出にくい。

それなら、自分が比較的言いやすかった「は行」を利用して、

「はい、ありがとうございました」

と「はい」を先につけてみる。

また、マネージャーの話を思い出して、笑顔を作るタイミングで「ありがとうございました」と言ってみる。

そんなふうに、自分なりの話し方を探すようになりました。

もちろん、これは私自身の経験です。

「この方法を使えば誰でも吃音が改善する」

という意味ではありません。

ただ、私にとって大きかったのは、

「どもる自分はダメなんだ」

と悩み続けるだけではなく、

「どうすれば自分は少し話しやすくなるだろう?」

と考えられるようになったことでした。

この居酒屋での経験は、その後の私の人生にも大きく影響したと思っています。

しかし、これで吃音の悩みがなくなったわけではありません。

その後、私は金融機関へ就職します。

そこで待っていたのが、電話対応と、私が苦手な「タ行」から始まる会社名でした。

次は、社会人になってから経験した「電話で会社名が言えない」「人の名前が出てこない」という苦しみについてお話しします。

第4章:社会人になっても「ア行」と「タ行」が言えなかった

居酒屋での経験を経て、私は金融機関へ就職しました。

マネージャーから励ましてもらい、自分なりに話しやすい方法を工夫するようにはなりましたが、社会人になったからといって吃音の悩みがなくなったわけではありません。

調子が良く、ほとんど言葉に詰まらない日もあります。

一方で、最初の一言がどうしても出てこない日もありました。

特に私が苦手だったのは、やはり「ア行」と「タ行」です。

そして社会人になると、学生時代とは違う「仕事だから避けられない言葉」に悩まされることになりました。

電話で会社名を名乗ることが怖かった

金融機関で働き始めて、私が苦労したことの一つが電話対応です。

会社では電話に出れば、最初に自分の会社名を名乗ります。

ところが困ったことに、当時勤めていた会社名は、私が苦手としていた「タ行」から始まる名前でした。

電話が鳴る。

受話器を取る。

そして会社名を名乗る。

普通なら何でもない一連の動作かもしれません。

でも当時の私にとっては、電話が鳴るたびに緊張する瞬間でした。

そこで私は、自宅でも会社名を何度も声に出して練習しました。

電話に出る場面を想像しながら、何度も繰り返します。

すると私の場合、少しずつ自分なりの言いやすいリズムができてきて、電話に出た直後なら比較的スムーズに会社名を言えることも増えていきました。

ところが、そこでまた別の問題が起きます。

「もう一度お願いします」と聞き返されると第一声が出ない

電話に出た勢いで会社名を言えたとしても、相手から、

「すみません、聞き取れませんでした。もう一度お願いします」

と言われることがあります。

これが私にはつらかった。

最初は流れと勢いで言えていた言葉なのに、

「もう一度、会社名を言わなければ」

と意識した瞬間、急に最初の「タ」が出なくなることがありました。

頭の中には会社名がはっきり浮かんでいます。

言いたいことも分かっています。

でも、声が出ない。

そして、

「早く言わなきゃ」

「相手が待っている」

「また、どもったらどうしよう」

と焦る。

焦れば焦るほど、さらに第一声が出にくくなる。

私の場合、「言葉が出るだろうか?」と意識しすぎてしまうことが、さらに不安を大きくしていたように思います。

「田中さん」「田口さん」など人の名前でも苦労した

電話では、もう一つ困ったことがありました。

人の名前です。

例えば、

「田中さん」

「田口さん」

など、私が苦手だった「タ行」から始まる名前です。

電話を取り次いでもらいたくても、

「た……た……田中さん、お願いします」

というように、最初の「た」で言葉が詰まってしまうことがありました。

相手の名前は、自分の都合で変えることができません。

会社名も勝手に変えることはできません。

日常会話なら、言いにくい言葉を別の言葉に置き換えることができる場合もあります。

でも仕事では、どうしても決められた言葉を使わなければならない場面があります。

そのたびに、

「こんな状態で、この先ずっと社会人として働いていけるのだろうか」

と不安になりました。

それでも私は「話す仕事」である営業職を選んだ

そんな私ですが、その後、金融機関から不動産業界へ転職しました。

しかも、私が選んだのは営業職でした。

営業は、お客様と話すことが仕事です。

電話をする。

初対面のお客様に挨拶する。

物件について説明する。

契約の話をする。

ときには大勢の人の前で話すこともあります。

若い頃の私からすれば、

「吃音がある自分には、一番向いていない仕事なのでは?」

と思ってもおかしくありません。

ところが実際には、不動産営業の仕事を続ける中で、私は営業成績を伸ばすことができました。

そして今振り返ると、

「吃音があるから営業はできない」

と若い頃に自分で決めつけなくて、本当によかったと思っています。

もちろん、

「吃音がある人は営業職を選ぶべきだ」

という意味ではありません。

仕事の向き・不向きも、吃音による困りごとも人それぞれです。

ただ少なくとも私自身について言えば、吃音に悩んでいたことと、営業の仕事ができるかどうかは、必ずしも同じではありませんでした。

吃音に悩んでいた私が、なぜ営業職を続けられたのか。

仕事の中で何を経験し、どのように自信を持つようになったのか。

その話については、別の記事で詳しく書いています。

【関連記事】

吃音に悩みながら営業職を続けた私自身の経験はこちらです(^_-)-☆

【吃音症の克服事例】吃音が原因で仕事に悩んだ男がトップ営業マンに!

居酒屋時代には「ありがとうございました」が言えない。

金融機関では会社名や人の名前が言えない。

それでも私は、そのたびに自分なりに、

「どうすれば少しでも話しやすくなるだろう?」

と考えてきました。

次は、私が実際に試してきた話し方の工夫や、「どもったらどうしよう」という恐怖との付き合い方がどう変わっていったのかをお話しします。

第5章:私が吃音と向き合うために実践したこと

ここまでお話ししてきたように、私は学生時代から社会人になっても、長い間吃音に悩んできました。

では、何か一つの特別な方法を試したことで、突然どもらなくなったのでしょうか?

私の場合は違います。

振り返ってみても、

「これをやったら翌日から吃音がなくなった」

というような経験はありません。

居酒屋のマネージャーから教えてもらったことをヒントにしたり、自分が言いやすい話し方を探したり、苦手な言葉を繰り返し練習したり。

そして仕事でさまざまな人と話す経験を重ねる中で、少しずつ吃音との向き合い方が変わっていきました。

ここでは、私自身が実際に試してきたことをお話しします。

苦手な第一声の前に言いやすい言葉を入れてみた

私が特に苦手だったのは、「ア行」と「タ行」の第一声でした。

例えば、

「ありがとうございました」

と言いたいのに、最初の「あ」が出ない。

そんなとき、私が比較的言いやすかった「は行」を利用して、

「はい、ありがとうございました」

と、「はい」を先につけて話すことがありました。

「ありがとうございました」だけを言おうとすると詰まってしまうのに、「はい」から続けると比較的言いやすい。

私には、そんな場面がありました。

もちろん、これは私自身が経験の中で見つけた方法です。

すべての吃音の方に同じように当てはまるという意味ではありません。

それでも私にとって、

「この言葉が出ないから自分はダメだ」

と考えるのではなく、

「どうすれば自分は言いやすくなるだろう?」

と考えるようになったことは、大きな変化でした。

苦手な言葉は何度も声に出して練習した

金融機関で働いていた頃は、電話で会社名を名乗ることにも苦労しました。

しかも、第4章でお話ししたように、会社名は私が苦手な「タ行」から始まっていました。

そこで私は、自宅で会社名を何度も声に出して練習しました。

電話が鳴った場面を想像しながら、

「はい、○○です」

と繰り返します。

すると私の場合は、少しずつ自分なりの言いやすいリズムができてきました。

もちろん、練習すれば何でも言えるようになったわけではありません。

相手から突然、

「もう一度お願いします」

と聞き返されると、また第一声が出なくなることもありました。

それでも、仕事で必ず使う言葉を事前に声に出して練習しておくことは、私にとって安心材料の一つになりました。

「どもったらどうしよう」という恐怖との付き合い方が変わった

長年の経験を振り返ってみると、私にとって大きかった変化がもう一つあります。

それは、

「絶対にどもってはいけない」

と思い続ける状態から、少しずつ抜け出せたことです。

若い頃の私は、人前で話す前から、

「どもったらどうしよう」

「また笑われるかもしれない」

「相手から変に思われないだろうか」

と考えていました。

まだ一言も話していないのに、頭の中では失敗したときのことばかり考えてしまう。

すると、余計に緊張してしまいます。

ところが、仕事を続け、多くのお客様や取引先と接するうちに、私の考え方は少しずつ変わっていきました。

たとえ言葉に詰まったとしても、その後きちんと相手に伝えればいい。

そう思えるようになってきたのです。

仕事で大切なのは、完璧に流暢に話すことだけではありません。

お客様の話をきちんと聞く。

約束を守る。

分からないことは調べる。

相手に伝わるまで丁寧に説明する。

困っているお客様に誠実に対応する。

そうしたことも、仕事ではとても大切です。

そのことに気づいてから、私の場合は以前ほど「どもること」だけに意識を集中しなくなっていきました。

仕事で得た自信も私にとって大きかった

不動産営業の仕事を始めた頃も、吃音が完全に気にならなくなっていたわけではありません。

それでも、お客様から契約をいただいたり、

「ありがとう」

と言っていただいたり、営業成績が上がったりする経験を重ねていきました。

すると、

「吃音がある自分」

だけを見ていた気持ちから、

「自分にもできることがある」

という気持ちへ少しずつ変わっていきました。

若い頃は、

「どもる自分は社会で通用しないのではないか」

とまで思っていた私です。

その私が、人と話す営業の仕事で結果を出せた。

この経験は、私にとって大きな自信になりました。

ただし、

「自信を持てば吃音が治る」

「たくさん人と話せば吃音が改善する」

と言いたいわけではありません。

これはあくまで、私自身が長い年月を振り返って感じていることです。

第一声が出ないときに私が使った7つの対処法

ここまで紹介した以外にも、私は仕事の中で「最初の一言が出ない」とき、自分なりにいろいろな方法を試してきました。

例えば、

「おはようございます」

「ありがとうございました」

「お先に失礼します」

など、仕事をしていれば避けることが難しい言葉です。

第一声が出ないときに私自身がどのような工夫をしてきたのかについては、別の記事で7つの対処法として詳しくまとめています。

【関連記事】

仕事で「最初の一言が出ない」と悩んでいる方は、こちらの記事も参考にしてみてください(^_-)-☆

【吃音症が辛いと悩む人必見!】仕事で最初の言葉がでないときの対処法7選

ここまでお話ししてきたのは、あくまで私自身の吃音との向き合い方です。

吃音の状態や悩みの大きさは一人ひとり違います。

そして、自分一人で工夫を続けることだけが選択肢ではありません。

現在は、吃音について専門家へ相談したり、支援を受けたりする方法もあります。

次は、吃音に悩んでいるときに一人で抱え込まず、どのような選択肢を考えられるのかについてお話しします。

第6章:吃音に悩んだときは一人で抱え込まなくてもいい

ここまで、私自身が吃音に悩んできた経験や、自分なりに試してきた方法についてお話ししてきました。

私は長い年月をかけて、仕事や人との会話を経験する中で、少しずつ吃音への恐怖との付き合い方が変わっていきました。

でも、ここで一つ大切なことをお伝えしておきたいと思います。

吃音の症状や悩み方は、人によって違います。

私の場合は「ア行」と「タ行」の第一声が特に苦手でしたが、言葉を繰り返してしまう方、音を引き伸ばしてしまう方など、吃音の現れ方はさまざまです。

また、

「電話だけが怖い」

「自己紹介がつらい」

「学校で音読するのが怖い」

「仕事で人前に立つことがつらい」

など、困っている場面も人それぞれだと思います。

だからこそ、

「私はこうだったから、あなたも同じ方法で大丈夫」

とは言えません。

この記事で紹介している方法は、あくまで私自身の経験として読んでいただければと思います。

私が若い頃は一人で悩んでいました

私が吃音に強く悩んでいた若い頃は、今のようにインターネットで簡単に情報を探せる時代ではありませんでした。

実は当時、通勤で利用していた電車のホームに、

「どもり治します」

という大きな看板がありました。

毎日のようにその看板を見ていました。

気になっていました。

「行ってみようかな……」

と思ったこともあります。

それでも私は、結局そこへ相談に行きませんでした。

当時の私は、吃音で悩んでいることを誰かに相談すること自体に抵抗があったのだと思います。

そして心のどこかに、

「自分が吃音であることを認めたくない」

という気持ちもあったのかもしれません。

今振り返ると、

「もっと早く誰かに相談してみてもよかったのではないか」

と思うことがあります。

医療機関や言語聴覚士など専門家へ相談する選択肢もある

現在は、吃音について相談できる医療機関や、言語聴覚士などの専門家につながる方法もあります。

もし、

「吃音のことで毎日強く悩んでいる」

「学校や仕事へ行くのがつらい」

「電話や会話を避けるようになってしまった」

「自分一人ではどうすればいいのか分からない」

という状態であれば、一人だけで何とかしようとせず、専門家へ相談することも選択肢の一つだと思います。

私自身は、自分なりに工夫しながら長い時間をかけて吃音と向き合ってきました。

しかし、

「自分だけで克服しなければいけない」

と考える必要はないと思っています。

相談することも、一つの方法です。

吃音そのものと「人前で話す怖さ」は分けて考えたい

そして、私自身の経験を振り返って、もう一つ感じることがあります。

私は吃音そのものだけではなく、

「また、どもったらどうしよう」

「みんなの前で言葉が出なかったらどうしよう」

「失敗して笑われたらどうしよう」

という、人前で話すことへの不安にも悩んでいました。

学生時代に先生から当てられるのが怖かったのもそうです。

仕事で電話を取るときに緊張したのもそうです。

ただし、ここは混同しないようにしたいと思います。

吃音と「あがり症」は同じものではありません。

吃音そのものについて悩んでいるのであれば、吃音について専門的に相談することが大切です。

一方で、この記事を読んでいる方の中には、

「吃音とは別に、人前に出るとものすごく緊張する」

「スピーチやプレゼンになると頭が真っ白になる」

「大勢から注目されると、うまく話せなくなる」

という悩みも抱えている方がいるかもしれません。

私自身も、吃音をきっかけとして「人前で失敗することへの怖さ」を強く意識していた時期がありました。

そこで次の章では、吃音そのものの話とはいったん分けて、

「吃音に加えて、人前で話すことへの強い緊張や、あがり症にも悩んでいる」

という方に向けた選択肢についてお話しします。

※次の章には広告を含みます。吃音の治療・改善を目的とした商品として紹介するものではありません。

第7章:吃音に加えて「人前で話すのが怖い」と悩んでいる方へ【PR】

ここからはPR広告を含みます。

前の章でもお伝えしましたが、最初に大切なことをもう一度書いておきます。

吃音と「あがり症」は同じものではありません。

ここで紹介する「あがり症改善プログラム」は、吃音そのものの治療や改善を目的とした商品として紹介するものではありません。

では、なぜ吃音について書いたこの記事で「あがり症」のプログラムを紹介するのか?

それは、私自身が吃音に悩んでいた頃、

「また、どもったらどうしよう」

「人前で言葉が出なかったらどうしよう」

「みんなに注目されるのが怖い」

という、人前で話すことへの不安も抱えていたからです。

この記事を読んでいる方の中にも、吃音そのものとは別に、

「人前に出ると極端に緊張してしまう」

「スピーチやプレゼンが怖い」

「大勢の人に見られると頭が真っ白になる」

「練習では話せるのに、本番になるとうまく話せない」

と悩んでいる方がいるかもしれません。

そんな**「あがり症にも悩んでいる方」**に向けて、一つの選択肢として紹介します。

あがり症改善プログラムとは?【PR】

今回紹介するのは、インフォトップで販売されている「あがり症改善プログラム」です。

このプログラムに興味を持った方に、私が一番伝えておきたいのは、

「吃音を治すための商品だと思って購入しないでください」

ということです。

この記事を読んでいる方の一番の悩みが吃音そのものであれば、前の章でお話ししたように、医療機関や言語聴覚士などの専門家へ相談する方法があります。

一方で、

「吃音だけでなく、人前で話すときの強い緊張にも悩んでいる」

という方であれば、どのような内容のプログラムなのか販売ページを読んで、自分の悩みに合っているか確認してみるのも一つの選択肢だと思います。

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私なら購入前にここを確認します

私自身、長い間吃音で悩んできたので、

「できるだけ早く、この悩みから解放されたい」

という気持ちはよく分かります。

だからこそ、悩んでいるときほど焦って購入するのではなく、まず内容を確認することが大切だと思っています。

販売ページを見るときは、

・自分が悩んでいる症状や状況が対象になっているか

・どのような考え方や方法を学ぶプログラムなのか

・現在の販売価格はいくらなのか

・どのようなサポートが用意されているのか

・返金やキャンセルなどの条件はどうなっているのか

などを確認してみてください。

そして、

「自分の悩みに合っている」

と納得できた場合に、購入するかどうかを判断すればよいと思います。

「吃音」と「あがり症」を混同しないことが大切です

もう一度だけお伝えします。

吃音と、あがり症は別のものです。

この記事は私自身の吃音体験を中心に書いています。

そのため、

「この記事で紹介されているから、吃音にも効果があるはず」

とは考えないでください。

このプログラムを紹介しているのは、あくまでこの記事を読んでいる方の中で、

吃音とは別に「人前で話すことへの強い緊張やあがり症」にも悩んでいる方

に向けた情報です。

そこを理解したうえで興味がある方は、販売ページで詳しい内容を確認してみてください。

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無理に購入する必要はありません。

まずは販売ページを読んで、

「これは今の自分が抱えている悩みに合っているだろうか?」

と考えてみてください。

そして、吃音そのものについて強く悩んでいる場合は、広告商品だけに頼るのではなく、専門家への相談も含めて自分に合った方法を探していくことが大切だと思います。

第8章:まとめ|吃音に悩んだ私が今伝えたいこと

ここまで、私自身が学生時代から長年悩んできた吃音についてお話ししてきました。

振り返ってみると、私にとって吃音のつらさは、単に「言葉が出ない」ということだけではありませんでした。

「また、どもったらどうしよう」

「人から笑われたらどうしよう」

「こんな自分が社会で通用するのだろうか」

そんな不安を抱え続けていたことも、とても苦しかったのだと思います。

学生時代には、授業で先生に当てられることが怖く、好きな女の子の前でどもって恥ずかしい思いもしました。

居酒屋でアルバイトを始めると、「ありがとうございました」の最初の「あ」が出ず、接客からキッチンへ回され、

「俺は社会で通用しないのかもしれない」

と本気で落ち込んだこともあります。

社会人になって金融機関へ就職してからも、電話で会社名を名乗ったり、「田中さん」「田口さん」といった苦手な「タ行」の名前を言ったりすることに苦労しました。

それでも私は、自分が言いやすい話し方を探したり、苦手な言葉を何度も練習したりしながら仕事を続けてきました。

そしてその後、不動産業界へ転職し、若い頃の自分なら想像もできなかった**「人と話すことが仕事」の営業職**を続けることになりました。

私にとって大きかったのは「どもること」だけを見なくなったこと

この記事の中で何度もお伝えしましたが、

「私がやった方法を試せば、誰でも吃音が治る」

ということを伝えたいわけではありません。

吃音の症状や悩み方は、人によって違います。

私自身を振り返って感じるのは、ある日突然吃音が消えたのではなく、長い年月の中で、

「どもったらどうしよう」

という恐怖との付き合い方が少しずつ変わっていったということです。

仕事でも、完璧に流暢に話すことだけが大切なのではないと気づきました。

相手の話をきちんと聞く。

約束を守る。

分からないことは調べる。

そして、相手に伝わるまで誠実に話す。

そうした経験を積み重ねる中で、私の場合は少しずつ「吃音がある自分」だけを見なくなっていったのだと思います。

今、吃音で悩んでいる方へ

もし今この記事を読んでいるあなたが、

「電話を取るのが怖い」

「人前で話したくない」

「仕事で言葉が出なくてつらい」

「このままずっと吃音に悩み続けるのだろうか」

と思っているのであれば、私が若い頃に同じようなことで悩んでいたことを、少しだけ思い出していただけたらと思います。

一人で抱え込む必要もありません。

強く悩んでいる場合には、医療機関や言語聴覚士など、吃音について相談できる専門家を頼ることも一つの選択肢です。

そして何より、吃音だけで自分の仕事や人生の可能性まで決めつけないでほしいと、私は自分自身の経験から感じています。

若い頃、「社会で通用しないかもしれない」と悩んでいた私も、その後、人と接する営業の仕事を長く続けることができました。

もちろん、これは私自身の一つの体験にすぎません。

それでも、かつての私と同じように吃音で悩んでいる方に、

「こんな経験をした人もいるんだ」

と思っていただけたらうれしいです。

この記事が、吃音に悩んでいる方にとって、自分なりの向き合い方を考える小さなきっかけになれば幸いです。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました(^_-)-☆